劇場公開日 2012年11月3日

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「内面を描く演技」黄金を抱いて翔べ ひちょさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5内面を描く演技

2012年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

萌える

原作が小説ということで、小説を先に読んで公開日をまっておりました。

原作は「内面を描くに長けたメディア」の小説。
それを「外面を描くに長けたメディア」の映画でやるというのは、これまた難しいことですが、この映画では出演者各人の演技によってそれが成されていたと思います。

主要人物の集まり方もスピーディーに。そして全員が癖のある奴らばかり。唯一普通なのは野田だけ。
この野田を演じている桐谷さんの演技がまた面白い。
普通ない奴らのなかで、唯一普通の。恐らく見ている観客に一番近いのが彼でしょう。
登場時から、強奪計画の実行時に至るまでの彼の「普通」なっていくさまは中々です。

また、この金塊の為に集まった男達が徐々に生き生きとしていく様。
特にこのストーリーで鍵となる幸田とモモ。この二人の変わっていく様もいい演技で魅せてくれていたと思います。

私自身、モモ役チャンミンファンということもあって見に行きましたが、ファンという贔屓を抜いてもなかなかいい演技をしていたのではないかと思います。
また原作にある「幸田はモモが好きだ」ということを念頭に演じたという妻夫木さんの演技もまた、内面からその気持ちが現れててよかったと思います。
二人のラストシーンは凄く好きなカットの一つです。

スピーディーに進むストーリーはカットも多くせわしなく進んでいきます。
個人的には長回しの演出が好きなのですが、この作品に関してはこっちのほうがより緊迫感が感じられて良かっただろうなと。
なかなか乾いた感じでありながら、日常によくいる大阪のおばちゃんたちがいい味出してます。

おばちゃんたち含め、関西特有の空気や、会話の小ネタとかもチョット面白いのでその辺もチェックすると楽しいかもしれません。

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ひちょ