劇場公開日 2005年12月17日

「ジャック・ブラックもブラック・ジャックも大好きです。」ブラック・ジャック ふたりの黒い医者 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ジャック・ブラックもブラック・ジャックも大好きです。

2020年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 当時のTVアニメ『ブラック・ジャック』は一度も見たことがない。以前に作られた長編アニメを数本見た程度です。実写版では本木雅弘や加山雄三、隆大介、古くは宍戸錠まで演じているほど人気のある手塚治虫作品。原作コミックが好きなので、アニメや実写版を今まで敢えて見たいとは思わなかったのですが、2005年は『ミリオンダラー・ベイビー』や『海を飛ぶ夢』などで安楽死を考えさせられることが多かったので、安楽死問題の締めくくりとして鑑賞しました。

 ドクター・キリコ。彼の安楽死に対する考え方は、原作に夢中になっていた10代の少年にとってはショッキングなものでした。大学受験の時期、金沢大学医学部の二次試験の小論文ではテーマが「安楽死について」でした。しかも二次試験は小論文のみなのです。「これなら書ける!」と医学部を受ければよかったと友人と話し合ったものですが、一次試験の点数が圧倒的に足りないだろうとバカにされたことを思い出しました。そのくらいDr.キリコの影響力が強かったのです。

 手塚治虫先生の息子眞氏がオリジナルの視点を取り入れたという今作。三つの有名なエピソードから始まり、原作をアレンジした孤島での細菌兵器研究所が中心となっています。爆弾テロや細菌兵器など、子供に理解できるのか?と疑問に思いつつ、社会派要素を取り入れた部分は上手く作られてますが、安楽死問題に関してはちょっとあっさりしていました。また、ほんの数秒のシーンでしたが、黒男の少年時代の映像が涙を誘います・・・

 尚、同時上映の短編『Dr.ピノコの森の冒険』は完全に子供向けでした。

【2005年12月映画館にて】

kossy