劇場公開日 2021年3月8日

「ナディアやウルトラマンのオマージュ作品」シン・エヴァンゲリオン劇場版 isukeeさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5ナディアやウルトラマンのオマージュ作品

2021年7月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

旧作シリーズからそうだけど、
今回のエヴァが提示している哲学にも共感ができなかった
毎度のことながら、ちょっと残念。

そもそも、人類の絶滅or 人類の単一化のどちらかしか選べない、
っていう二者択一がクソ設定だと毎回見る度に思う
後者を選択しつつ その方法論の違いが旧作とシン版にあるけど
込められた哲学はいつも一緒。
最愛の人を失って残された遺族が、
どうやってPTSDと克服していくか、という過程を
謎と伏線が交錯する壮大なダークファンタジーで魅せているけど、
いつもあんまり共感できない。
一方でジレンマの枠を超えて、
最後まで人類の運命に抗う選択をしたミサトには共感できた
主題をゲンドウの物語ではなく、
思い切ってミサトの物語に振り切ってくれたらよかったな

こんな否定的な印象を持ったけど、
最後まで 飽きることなく、むしろワクワクしながら楽しめた
庵野さんの 過去のレジェンド作品に対する愛、
オマージュがぎっしり詰まってて見所がたくさん用意されていた

冒頭のパリ奪還作戦には「ふしぎの海のナディア」の影響が強く出てるし、
無人艦隊群の描写は思いっきり「宇宙戦艦ヤマト」
「裏宇宙」や「ゴルゴダ」は「ウルトラマン」を想起させるし、
初号機と13号機の 旧第3新東京市での戦闘シーン、
あれには思いっきり「円谷プロの手法」を感じた
実際どうなのかは知らないけど、
スタジオセットとしてミニチュアで旧第3新東京市の要塞都市を構築して、
そこで モーションキャプチャを装着した2名がバトルを演じたのかなって想像した
往時の円谷プロなら エヴァの着ぐるみでそのまま戦ってそう
こういう庵野さんの個人的な嗜好がオマージュとして
本作に反映されていて、かなりよかった

伊助