劇場公開日 2012年5月19日

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「NIKEと整形と軍事政権」サニー 永遠の仲間たち kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0NIKEと整形と軍事政権

2019年7月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

 どこかで見たことある顔だと思ったら、『新聞記者』の記者さんじゃありませんか!主人公イム・ナミの高校生時代を演じているシム・ウンギョン。かなり顔芸が出来そうな雰囲気で、色んな表情を見せてくれる。

 チャンミはすぐに見つかり、自分たちの力で次々と同級生を集めていくのかと思いきや、お金持ちのハ・チュナはポンっと金を出して人探しのベテラン探偵社に任せてしまう。次々と見つかっていくサニーのメンバーたち。ただ、最後の最後まで美少女スジが見つからず・・・といった展開だ。

 彼女たちの高校時代はチョン・ドゥファン大統領の軍事政権下。イム・ナミの兄も労働運動していたとかで逃亡するといった描写。またデモ隊と警官が衝突するシーンもコミカルに描かれてはいるものの、実際は言論の自由もなくて息苦しい時代だったと想像できる。そうした空気の中であっても高校時代の自由な雰囲気だけは奪わなかった。街のあちこちの壁には張り紙を剥がした跡がいっぱいだったし、舞台となったソウルの女子高も私服だったけど、本当は違っていたのかもしれないと、勘ぐってみたくなるのです。

 民主化を勝ち取った韓国。大人になったサニーのメンバーたちも、何不自由なく暮らしている主婦もいれば、苦しい生活を強いられている者もいる。しかし、友情だけは永遠のもの。ハ・チュナが末期がん患者だと知り、なんとか思い出を残そうとする姿がとても良い。特に良かったのはナミの娘が恐喝されていると知り、サニーの4人がその不良たちと対峙するエピソード。どうせ死ぬんだから何も怖くないというチュナと仲間たち。とにかく高校時代から飛び蹴りが得意だったところが最高でした。

kossy