劇場公開日 2012年9月15日

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「独居老人の社会への関与の仕方」ライク・サムワン・イン・ラブ Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0独居老人の社会への関与の仕方

2021年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

出だしの意味がわからにのは、キアロスタミ監督のよく使う技法なので、黙って観察していたと言ったほうがいい。そのご、一人の女が男の曇った眼鏡をとって拭き出した。ええ? これなんだと思って見ていたが、期待している方向に話が進んでいってないなあとも思っていた。それに明子の優柔不断な態度に疲れてたとおもっていたら、ええ?タクシーに?タクシーに乗っておばあさんの電話を聞き始めたから、なぜ、会ってあげないのだろう?理解ができないうちに、あれ!お婆さんは孫、あきこが男を相手の仕事をしているのを心配しているのかなあとも思えた。高齢の男の部屋にあきこが入ったが、明らかにあきこは高齢の男を全くしらないという様子だった。会話は『読んだ本を捨てないの』とか『自分が奥さんに似ているとか』黒田清輝風の油絵の女性の前に立ち髪をあげ、女性の真似を初めてあった高齢の男の前ですることに不思議に思っていたが、徐々に何かが進行すると思って出番を待っている状態だった。それから、あきこが服を脱ぎ始めてそれを投げ出した。。あれ!!これはデリヘル? これが里のおばあさんにも会えない理由?全くわからなくなったけど、ここで視点をこの老人に変えようと思った。そうしたら他のものが見えてくると思って。高齢者に目を移すことでちょっと見えてきたものがある。

この高齢者は、若い女性の身体に興味があり、セックスの相手をさせたいのではなく、妻を失い余生があまりにもつまらなく人間的な交流ができなくなり、妻に似た彼女を招待したと言う形だが。いやいや、この彼女とフィアンセ、のりあき、である自動車修理人の人間たちの生活におじいさんとして入ったことにより、『頼りにされ』と言おうか、振り回されてと言おうか、生きがいを見つけ出したと言うことになる。

フィアンセ、のりあきはよく、キアロスタミが使うタイプの男で、良さをすぐに発揮するかと??? 二面性があり、アンガーマネージメントがいる人に!

困ったことに、DVDが傷ついていて、20分ぐらいスキップしなければならなく、残念。最後、のりあきが怒鳴り込むシーンから観られたが、よく分からずじまい。

多分、この高齢の男は、この件に関与していくだろう。だから、暇つぶしの独居老人ではなくなるね。これは、この老人にとってもいい刺激になり、あきこにとっても、もっと教養を深め、人間的にも成長していけるだろうと思った。日本政府が声を大にして叫んでいる『共助?』の精神の一つで、世代を超えて、助け合うことが少子化の現在、そして、未来に必要になってくる。あきこの独居老人へのアプローチはデリヘルであったとしても、それに、過去にもデリヘル歴はあったとしても、あきこの将来は明るく、先が見られる。大学に通って、机上の学びについていけなそうだが、社会では人生の相談ができて、人間性を学べる場所を見つけたと思う。こういう人生を見直せる生き方がみんなに必要になってくる。

P.S 日本の役者を使っている映画だから、一人ぐらい顔なじみの俳優がいると思ったが、誰も知らなかった。 主役の高齢者は白土だと聞いた。
キアロスタミ監督はなぜ、日本のデリヘルの存在を知っていたのか?

Socialjustice