劇場公開日 2012年7月7日

「家族の気持ちをお互いに巧く伝えられない今の時代には、とっても良い映画」スープ 生まれ変わりの物語 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5家族の気持ちをお互いに巧く伝えられない今の時代には、とっても良い映画

2013年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

「この世に生を受けた者はやがて総て死を迎える」と言うこの自然の法則に縛られて暮している私達にとっては、死の世界は多くの謎を秘めた領域なので興味が尽きないものなのだろう。
そんな人間の心理が働いてか、この死の世界を描いた映画は、邦画、洋画共に多数ある。
そしてその死の世界を考えると大きく分けて2つの考え方が有る。
人や動物などの死は、その死を迎える事で、総てが終わってしまうと考える人々と、それとは異なり、只単に死ぬという事は、生の世界から死の世界への魂の異動が行われただけの事で、その魂は永遠にその後も生き続けていると考えている人々もいる。
そう、そして魂が永遠に続いて生きていると言う考え方にも厳密に言えば、大きく2つの考え方が存在し、死後の魂は、天国や地獄で永遠に暮らすと言う考え方と、この映画が描いている世界のように、死を迎えた魂は、あの世へ行き、やがては他の人間として生まれ変わって、またこの地上に舞い戻って来ると言う考え方とがある。
しかし、私を始め、多数の普通に暮らしている人々は、前世や死の世界に自分が住んでいた時の記憶が無いので、自分達の命がこの世を去ったら、どうなるのかと言う確信が無いけれど、この世界には不思議な事に、その今の自分が誕生する前である前世の記憶を残している子供達が多く住んでいるところが有ると言う。そして、その前世を記憶する子供達の証言を追跡調査して見ると、非常に個人的な事で、死んだ当事者でないと知る事の無い事を言い当てる事が出来たと言う現象を基に、前世を記憶すると言う子供達は、生まれ変わりなのだと言う仮説が成り立ち、その「生まれ変わりの村」と言う森田健さんのシリーズ著作本を基に描かれているのがこの映画だ。
どころで、私にも、死別した家族や、友人知人で、また会って話をしてみたいと願う人がいる為に、この映画が描いている世界観は、非常に慰められると言うか、癒やされるし、希望が持てるので、単なる空想の世界とか、嘘話しとかでは片づけられない。
しかし、この映画を1つの作品として観ると、こう言う映画の制作をするのは、観客の集客を多数望む事が出来ないのだろうから、制作予算が少ない為だろう、残念だが映像的には、何とも夢の無い安っぽく見栄えの無い表現になり、撮影のロケ地もスタジオでのセット撮影も観ていてパッとしないし、CG特撮もチープで雰囲気が出ず、観ていられない。
主人公の渋谷を演じる生瀬勝久はコミカルな芝居が合っているので、半分コメディー映画の様な要素を呈したこの映画では良い味を醸し出してくれている。
そして小西真奈美も、離婚から立ち直れない駄目社員、駄目オヤジを演じる生瀬のやり手の上司と言う役で、息の合ったテンポ良い芝居を見せていて、結構笑えて楽しめた。

生まれ変わりや、死の世界を描いた作品で、記憶に残っている作品を下記に簡単に挙げて置きますね、「あなたの死に御用心」これメリル・ストリープ出演のコメディーで面白いし、
死神を描いている作品なら「ジョーブラックによろしく」、死んだ魂はその後も存在して愛する地上の人を守ってくれていると言う「ゴースト」「オールウェイズ」も良い映画だね!

ryuu topiann