「メカデザインも含めて昔のままの感じを残しつつ美しく再現されていたのに感動。」宇宙戦艦ヤマト2199 第一章「遥かなる旅立ち」 aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5メカデザインも含めて昔のままの感じを残しつつ美しく再現されていたのに感動。

2012年4月8日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

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1974年のテレビシリーズ以来、2009年26年ぶりの新作となった西崎義展監督のアニメ復活編。2010年CGで再現された初めての実写劇場版SPACE BATTLESHIP ヤマト。そして、21世紀に入って三度ヤマトが甦った。

「闘将ダイモス」のメカデザインでデビューし「ラーゼフォン」で初監督したヤマト世代の出渕裕氏がオリジナルシリーズをまさかのリメイク!? 最初聞いたときは、オリジナルへの思いが強いファンが多いなかで無謀だなと思ったが、これはなかなかの出来ではないか。
ヤマトのために集った優れたスタッフが手がけただけあって作画もきれいだし、最近のアニメにあるようなCG然としたカッコ良さをわざと排して、メカデザインも含めて昔のままの感じを残しつつ美しく再現されていたのも感動だった。
人類の危機を救うのになぜ日本人だけなのかとか、その他突っ込みどころ満載だったオリジナルに対し、考証や設定には手が加えられた。いきなり艦橋で戦闘班長になった血気盛んな18才の古代進を、思慮分別のある20才に変えたり、他にもオリジナルとはちがうラストになりそうな変更もあちこちにあった。
森雪一人で引き受けていたものを新しい女性キャラを多数配して役割分担したのも新しいファン獲得には有効だけど、限られた物語の中でそのキャラたちをうまく描き切れるのかは不安要素だ。
なお、大人の事情で復活編に続き今作でも松本零士氏は関わっていない。結城信輝さんのキャラクターデザインも十分に魅力的なのだが、松本零士氏の描く独特で妖艶な女性キャラがいないのは、オリジナルファンにとっては少し寂しい。

aotokage