劇場公開日 2013年3月8日

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「タネが分からないマジックは魔法と同じ」オズ はじまりの戦い 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0タネが分からないマジックは魔法と同じ

2013年4月10日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

今回はIMAX3Dで鑑賞したので評価が普段の2割増しくらいになっているかも……
ともあれ、楽しかった!

ニヤリとしてしまうのは冒頭20分のモノクロシーン。
あえてCGを目立たせない、アナログな手触りが楽しい。
白黒4:3から極彩色16:9に転じた瞬間の効果は劇的!
本作、世界観や造型が特徴的かというと実はオリジナリティは薄めな印象なのだが、
色彩の鮮やかさ・美しさに関しては、他作とはちょっと群を抜いてると思う。

竜巻に遭遇→滝に落下までの流れやそれ以降の幾つかのシーンも
遊園地のライドアトラクションなノリで、これを3D+大画面で観ると楽しい楽しい!!
最初の『スパイダーマン』でも感じたなあ、このライド感&ワクワク感。

キャラも良いっすね。
3人の魔女は三者三様にお美しい。
ミラ・クニスとレイチェル・ワイズは女の怖さをビシバシ放出。
ミシェル・ウィリアムズも少し天然が入っててお茶目。
(けど彼女だけはなんか衣装がミスマッチな気が……)

お猿のフィンリーは臆病ながら、主人の為に頑張る姿が可笑しい。
健気な陶器の少女は正直、魔女3人よりもキュートで魅力的だ。
(チャイナガールって呼び方がエキゾチック)

そして主人公オズ。
女たらしで欲が強くて傲慢チキなヤツだけど、根っこには善良さを秘めている所が良い。
彼が求めた偉大さ(greatness)というのは、
善良さ(goodness)の後に尾いてくるものだったのかも。
ただ彼は、元の世界の恋人と結ばれた訳でも少女の脚を治した訳でもない。
それを思うと少し複雑な気分になってしまうのだが、
彼は彼に出来るベストを尽くしただけかな。
治せるものなら、序盤の少女の脚も彼は喜んで治したと思う。

クライマックスを観ながら感じた事。
タネが分からないマジックは本物の魔法と同じ。人を驚かし、脅かし、魅了する。
途方もない可能性まで信じさせてくれる。
そういう意味ではマジックも映画も、同じくらいに素敵なものだと思った。

以上!
家族で楽しめる良質エンタメ映画でした。
アルカザーム!

……と締めた所で思い出したが(笑)、
なぜか魔女の正体が明らかになる最後だけ異様に怖い(爆)。
『スペル2』みたいなノリで恐ろしい魔女の顔がどアップになった瞬間、
後ろに座ってた子ども達が悲鳴を上げました……意地が悪い男よのう、ライミよ。
鑑賞予定の方はちょっと注意。

〈2013/3/18鑑賞〉

浮遊きびなご