劇場公開日 2019年3月29日

「パロディとしては、むしろリメイク版の「ドーン・オブ・ザ・デッド」よ...」ショーン・オブ・ザ・デッド Fate number.9さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0パロディとしては、むしろリメイク版の「ドーン・オブ・ザ・デッド」よ...

2024年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

パロディとしては、むしろリメイク版の「ドーン・オブ・ザ・デッド」よりも「ゾンビ映画の本質」をきちんと捉えている作りではあるものの、これでは余りにも基本的なストーリー展開や演出、テーマのすべてがオリジナル版そのままで、あえてパロディとしてリメイクしている必然性が見当たらない。

コメディとシリアスの比率が3:7くらいで、コメディにしてはシリアス過ぎるため、その配分が非常に中途半端な印象を受ける。特に後半は完全に真面目なゾンビ映画そのもので、独自の解釈や意外性のある展開は皆無。もっとクイーンの曲に合わせて楽しそうにゾンビを殴りまくるシーンのように、コメディとして徹底した方が良かったのでは。死と滅びを受け入れて、「とことんまで崩壊していく世界を楽しんでやるぜ!!」と言うような、「滅びのハイテンション」や「死のカタルシス」ってのが見たかった。

ラストもどうせなら、あの友人だけでなく、ゾンビになった母親や恋敵とも仲良く暮らして行くという暖か味のある終わり方にすれば良いのにと思ってしまう。近所のコンビニのレジ係をゾンビがやっているとかさあ…。そうしたオリジナルには無い、お茶らけた中にも「日常を生きる人間の強さや優しさ」を表現して欲しかった。潜在的にはもっと面白くなる余地があるだけに、オリジナルを超えようと言う気概が感じられないのが残念。

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Fate number.9