劇場公開日 2022年8月12日

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「信念とも言える魂に静かな感動を覚える」灼熱の魂 ゆみくらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5信念とも言える魂に静かな感動を覚える

2013年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

新聞の評論を読んでみにいこうと思っていてつい見そびれていた。

双子の姉弟に残された母親からの謎めいた、叙事詩のような遺言と2枚の手紙。一枚はあなたたちの兄へ、もう一枚はあなたたちの父親へ。この手紙が手元に渡ったとき、遺言は完成し、すべてが動き出す。反発する弟を尻目に、姉は母の人生を追い始める。

母親が生きてきた人生は灼熱という言葉ではとても表せない。熱く激しく、壮絶。その人生で生きた魂には、すべての出来事、歩んだ奇跡、感情などのなにもかもが深く刻まれた皺のように確かなものとして、くっきり浮かび上がっている。生き別れになった、愛する恋人との息子を探す母。それは運命なのか宿命なのか、翻弄され、最終的にどこへ行き着くのか見当もつかない。

2本あると思いこんでいた糸が次第に1本につながっていくさまは圧巻であり、見応えがあった。最後にわかる事実は重苦しいが、すべてを受け入れた姉弟のすがすがしい表情に希望を感じた。

ゆみくら