劇場公開日 2012年6月15日

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「『ロードオブザリング』と『ジャンヌ・ダルク』のカクテルのような映画で暗ーく、観客層などのターゲットが不明な映画」スノーホワイト Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0『ロードオブザリング』と『ジャンヌ・ダルク』のカクテルのような映画で暗ーく、観客層などのターゲットが不明な映画

2012年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

グリム兄弟の本が出版されて今年は丁度200年になると言う事で、今年は「白雪姫」が2本も公開され、スノーホワイトのプチブーム。

この映画先ず気になるのは、映画全体の画像が暗く、光のイメージが無い!
白雪姫=善の世界と、魔女=悪の世界のシンボルの対決のお話の筈だが、映画が描く世界感は、闇の世界が全体に広がっている。そして毒リンゴを食べた姫は、王子によって助けられた筈だが、今や王子を出し抜いて自ら軍を率いて、闘う戦士化する白雪姫。きっとこの映画をグリム兄弟が観たら、自分達が創った物語とは気が付かないだろう!

誰でも子供の頃、家庭で必ず読む絵本や、幼稚園での劇や、紙芝居などで登場したのが、グリム兄弟の童話だった。
この200年間世界中で、親から子供へと必ず読み聞かせ、伝えられてきたお伽噺の数々の中でも最も人気の定番ストーリーと言えば「白雪姫」だったのだ。
その定番を今の時代にマッチングさせるとこう言う作品になるのだ!と言う事か??
ハリウッド式にイメージ表現するとこんな映画が出来上がるよと言うモデルケース作品がきっとこれだね。
正直、子供の頃に読んでいた童話の世界のイメージでは、夢や希望があった・・・
冒険や、時には恐い話も有ったりもするが、物語に触れた後には気持ちが広がると言うか、良くも悪くも高揚して楽しめたイメージがあったものだ。また明日も、続きを読む事や、別の話も読んでみたいとワクワク出来たものだった。
しかし、この「スノーホワイト」及び「赤ずきん」も同様なのだが、CG映像で、画像の動きには非常にスピード感があって、特に上下と奥行きのある動画の連続で物語の世界をジェットローラーコースターに乗って画面の一部分に自分が参加出来たような印象になり、臨場感が出る。
ゲームの動画作りと同様、物語の世界を疑似体験出来る印象を受ける画作りだった。
それだけに、映画が終了するとテーマパークで、アトラクションの終了後に、ポンと現実の世界に無理矢理跳ね帰えさせられるあの感じがして、ヒドク疲弊するのだ。
そしてもう、明日はこの続きはパス!当分の間は読みたくないと本を投げ飛ばしたくなるのと同様に、こんな創りの映画には食傷気味な気持ちが涌いてくる。
お伽話である筈の物語も、今では、子供の夢と希望の世界ではなくなり、エゴと欲にまみれた魔女と、その魔女にひたすら使える弟との愛憎劇と言う現実の世界の話しに近くなり、大人のお伽話?の世界になるのだが、大人が、この「白雪姫」と言うお伽話にお金を払って観る価値は有るのだろうか?でもこれは子供向きでは無いと思うし、家族で楽しめる映画でも無いと思うのだが、エリック役のクリスも「マイティー・ソー」と続編みたいだったし、ウィリアムは影薄いし、シャーリーズ・セロンも芝居の見せ場の無いつまらない作品だっただろう。クリステンのファンには一応押さえて置く作品の1つなのかも知れない。

ryuu topiann