劇場公開日 2012年8月10日

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「なまじリメイクと言わない方が・・・」トータル・リコール tochiroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0なまじリメイクと言わない方が・・・

2012年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

 同じ「トータル・リコール」という題名だが、原作とも前作とも趣は異なる(原作は主人公が惑星間刑事警察機構の秘密捜査官だった過去だけでなく、少年時代に異星人と遭遇し、自身の存在が地球侵略を防ぐ鍵となっていることが明らかになるだけで、地球からは離れない。前作は原作の一部を使用し、主人公は実際に火星へ行き植民地の開放に一役買うことになる)。

 結局この作品は「トータル・リコール社で疑似記憶を植え付けようとしたことが原因で事件が起こる」ことだけが共通で、その他は原作とも前作とも共通点はない、言わば全くの別物である。原作や前作の知名度に便乗するのも興行的な作戦かもしれないが、なまじこの題名にしたことで前作ファンや原作ファンから色々批判されることにもなるだろう。

 しかしだからと言ってこの作品がつまらないとは思わない。どちらかというと私にとっては好きな部類の映画である。
 まずSF的な設定として地球を貫通するエレベーター「フォール」、磁気駆動で浮遊走行する車、高速で移動する三次元エレベータ、手のひらに埋め込まれた通信端末、大量生産されるロボット兵士など、映像的な見せ場には事欠かない。
 またメインを張る2人の女性の強さは圧巻で、特にローリーの悪女振りは小気味よいくらいである。

 個人的にはここまで内容が違うのだから、いっそオリジナルのSF作品として公開した方が良かったのではないかと思ってしまう。

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tochiro