劇場公開日 2012年8月10日

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「怒涛のディテール!」トータル・リコール 蒔島 継語さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0怒涛のディテール!

2012年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

評判悪いからぜんっぜん期待してなかったけど、最後までしっかり楽しめた!スターウォーズ、ブレラン、ボーン三部作、そしてイノセンスなどなど、いろんな佳作名作へのオマージュや引用がいいスパイスとして効いてる!そしてリドスコへのオマージュ。

圧倒されるのは画面にあふれるディテールの洪水。もうほんっと画面の隅々までディテールでビッシリ!流れ去って行く風景のはじっこまで、とにかくスクリーンを貪欲に埋め尽くそうという欲望に取り憑かれたかのよう。ここまで作り込む執念はほとんどリドリー•スコット状態。ディテールを積み上げて映像に説得力を持たせ、飽きさせない。名作を引用しながらも絵作りの手を抜かず、キッチリとオリジナルになってるところがスゴい!

もうひと言!メカデザイン含む、工業デザインがたいへん素晴らしい!SW新三部作はこのデザイナー(チーム)にやって欲しかった!過去の名作へのオマージュをちゃんと盛り込みつつ、最近のアメリカ映画の工業デザインの悪い手癖とキッパリ決別して、すごくいい線を引いてる!じつに説得力に溢れた機能美の数々、「いま•ここ」の延長上に充分あり得ると錯覚させる、巧みな面構成。これがなければ、画面に溢れるディテールの氾濫なんて成立しない。最近のハリウッド映画では、アイアンマンシリーズと並んで、美的感覚と的確な理解に基づいた立派なお仕事ぶりでありました。

そして、あまり指摘されていないけれど、舞台を地球のみとすることで、管理社会モノ、ディストピア物としての背景をよりわかりやすくしている。ただし、あくまでもスタイルとしてのディストピアであって、なんだかリベリオンぽいなぁとかウルトラバイオレットみたいだなあ•••と思って鑑賞してたら、カート•ウィマー氏が参加してるじゃん!原案(!)そして脚本で。未来都市を遠景でのびやかに見せるのがウィマー氏の得意技だけど、今作もやたら遠景のショットが多いと思ってたら、やっぱり関係者。絵作りにも相当意見出してそう。先ほど挙げた2作品に、映像のイメージかぶります。しかしエンドロール観ながら吹いたの始めて。

そして音楽は安心のハリー御大。なんの心配もなく観ていられます。強烈な印象こそないものの、今回は文字通り「劇伴」の機能に徹していて実にいい仕事っぷり。

というわけでカート•ウィマー作品のファンとして、たいへん愛すべき実に優秀で堂々たるB級ボンクラ映画でしたよ。

そんなわけで、一般市民のみなさんにはイマイチウケの悪いトータルリコールですが、俺は大大大プッシュですよ。B級が好きなら、この夏これ観ないでどーすんの。

原作や旧作と比較してどうこう、というのは脇に置いておいたほうが、このフィルムはより楽しめると思います。だって、ウィマー節大炸裂の、ウィマー色の作品だもの。「追憶売ります」をウィマー色で染めるとこーなった、それがこの映画の正体。

このディテールのスペクタクルは、ぜひ劇場のスクリーンで鑑賞することをオススメします。ウィマー氏らしく、脚本は比較的シンプルなのでストーリーは理解しやすく、その分アクションや映像を観て楽しめますよ!

蒔島 継語
蒔島 継語さんのコメント
2012年8月26日

修正完了、ネタバレ要素を排除しました。

>グッドラックさん
ご丁寧なコメント、ありがとうございました。
おかげでスムーズに修正できました、本当に助かりました。

映画を見る前の判断材料として成立するようにしましたので、長ったらしい駄文ではありますが、よかったらヒマつぶしにでも、どうぞ。

蒔島 継語
グッドラックさんのコメント
2012年8月21日

レビュー修正、できます。
PCならマイページの該当レビュー欄右上のエンピツマークが編集ボタンです。
携帯からもできます。

まだ観ていないので読まないでおきますね。

グッドラック
蒔島 継語さんのコメント
2012年8月20日

!!レビュー内にネタバレあり!!

投稿前のチェックが行き届かずすみません。
レビューの中に、ストーリーに関わるネタバレがありました。

修正、削除ができないようなので、この場を借りてお詫びします。

蒔島 継語