劇場公開日 2011年7月16日

「父子の葛藤を乗り越え、良い作品に仕上がっていた」コクリコ坂から 温故知新さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0父子の葛藤を乗り越え、良い作品に仕上がっていた

2011年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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NHKのドキュメンタリー番組で、この映画を巡る宮崎駿、宮崎吾朗父子の葛藤を描いていたのを観て、興味深く観賞した。
宮崎吾朗の「ゲド戦記」は物足りない作品だったが、「コクリコ坂から」はスタジオジブリの新しい境地をみせてくれた気がする。父子の葛藤は、無駄ではなかったようだ。
凛々しい女性がいつも登場するジブリ作品だが、今回の舞台はオリンピックのころのニッポン。懐かしい音楽、風景が随所で楽しめる。そのせいか、映画館は年配の客が多かった。
SF、メルヘンの要素がなくても、ジブリは魅せてくれる!と感心した。
宮崎吾朗氏はこれで、偉大な父親の存在に脅かされずに、今後、新しい表現の映画をどんどん作り出してくれるのではないかと期待する。
トトロ、ナウシカあたりと比べると宮崎駿作品も壁にぶち当たっていたと正直、感じる。息子に辛くあたる駿は、もしかしたら自分の壁を乗り越えられないところにいらだちを感じていたのではないか。
宮崎吾朗氏は父にない感覚を間違いなく持っている。がんばれ!

温故知新