劇場公開日 2011年4月29日

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「あなたは愛されている」八日目の蝉 kalichan88さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あなたは愛されている

2015年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

不倫した男には騙されその妻には嫌がらせを受け、フラフラになっていた野々宮希和子は、その男の赤ん坊を出来心で奪って逃走する。薫と名づけたその子は自分の娘ではないが、捕まるその日まで、もう1日だけでもと自分の愛の全てを奉げ育てる。

とにかく希和子の見せる愛が暖かくそして悲しい。母の愛の深さに心をえぐられる思いがした。子どもが4歳くらいまでが一番可愛いというから、子育ての楽しいところ綺麗なところだけを見せているのかもしれないが、この映画を観ていると、親の無償の愛について考えさせられる。愛されて育った人はその記憶、愛されず育った人や子どもが居ない人は、その愛に恋焦がれる思いで、心を動かされるだろう。

また、男のだらしなさが堪らなく情けない。この2週間程で邦画をたくさん観ていて思うのが、不倫をしたり二股をかける男によっての女同士の憎み合いになるという話が頻繁に出てくる(「阪急電車」「ステキな金縛り」)。「結局悪いのは男だろう!!」とイラだって仕方がない。

この映画であとここさえ良ければ、もう少し点数を上げたのにと思うのが、脇役の演技である。主要キャラの演技は本当に素晴らしかった。井上真央、そして特に永作博美の演技は素晴らしかった。子役の渡邉このみもまぁ頑張っていたような(途中で何度かうわぁと思うところがあったけど、子役は大変だよなぁ目を瞑ろう)気がする。しかし、他の子役が大根すぎて、映画の良さがそこで半分にガクウゥーーーッと減るのが全身から力が抜ける思いだった。森口瑤子の演技も「くううっ!!」と苦しくなった。それは原作が、この映画のテーマが、もっと奥深いところにある気がするのに、それが演技に感じられなかったという惜しさである。

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kalichan88