劇場公開日 2011年1月8日

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「【”女性に自由を。”全ての女性に捧げる映画。所詮男などは社会的地位が高くなっても女性には敵わないのである。カトリーヌ・ドヌーヴが専業主婦を軽やかに演じている姿が印象的な作品である。】」しあわせの雨傘 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”女性に自由を。”全ての女性に捧げる映画。所詮男などは社会的地位が高くなっても女性には敵わないのである。カトリーヌ・ドヌーヴが専業主婦を軽やかに演じている姿が印象的な作品である。】

2023年7月17日
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鑑賞方法:VOD

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■スザンヌ・ピュジョル(カトリーヌ・ドヌーヴ)は朝のジョギングを日課とする幸せなブルジョワ主婦。
 彼女の夫・ロベール(ファブリス・ルキーニ)は雨傘工場の経営者で、亭主関白。
 ある日、ロベールが倒れ、スザンヌが労働者がストライキをする工場の対応及び運営することになる。
 彼女ならではの労働者たちの意見を取り入れ、労働環境を改善する中で、傾きかけていた工場は大盛況となる。

◆感想

・フランソワ・オゾン監督作という事で、ムズカシイ問題提起をする映画だと思ったが、その通りではあるのであるが、爽やかな女性賛歌の映画であった。
 フランソワ・オゾン監督、私より少し年上だが、作品の幅がある名監督である。

・今作では、会社経営の夫から”飾り壺”と呼ばれている、ブルジョワジーのカトリーヌ・ドヌーヴ演じる夫人の奮闘が描かれている。
 夫の浮気にも目をつぶり(序に彼女も若き頃に浮気してしている・・。ウーム・ジュテーム・・。)家をしっかりと守るスザンヌ。

・そんなある日、子供達が家に集う中、夫が会社の労働者のストライキにより、窮地に陥る中、スザンヌの出番が回って来る。
■労働者代表たちとの団体交渉の場で、一切怯む事無く労働者たちの労働時間短縮、有給休暇取得、時間外労働に対しての賃率向上の要求に対し、総てイエスと答えるスザンヌの姿が印象的である。
  ココには、彼女の器の大きさと共に、主婦の過酷な労働環境も反映されていると私は思う。
  私は、アメリカの経済雑誌を読んでいるが、専業主婦の土日にも休みがない状況を時給換算すると、年収、1200万円になるそうである。
  私事で恐縮であるが、私の家人は大変聡明な、私には過ぎた女性であるが子供が出来た時から専業主婦である。(彼女の申し出による。子供の傍に長く居たいという理由であった。)勿論、速攻で是非!とお願いした。
  今ほど、男性が子供の面倒を見る制度が無かったせいもある。

<今作が素晴しいのは、夫が労働者側に屈した後に登場した専業主婦であったスザンヌが、自分の子供達にも頼りながら会社を再建していく姿である。
 それを、仏蘭西の国民的女優であるカトリーヌ・ドヌーヴが軽やかに演じているのである。

 男など、幾ら社会的地位が高くなろうとも、女性の前では一切頭が上がらないのである。
 故に、私が物凄く腹が立つ事としては、自らの妻や子供を虐待する男なのである。
 私は、全ての女性は菩薩であると思っているのである。
 ケド、自分の家人が過去浮気していたら、嫌だなあ・・。ホントスイマセン・・。>

NOBU