劇場公開日 2011年4月29日

「平和。ある意味ぬるま湯的な」阪急電車 片道15分の奇跡 Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0平和。ある意味ぬるま湯的な

2015年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

幸せ

とりあえず特設サイトに小さい電車が走ってて超可愛いのでチェケラ

【登場人物】
高瀬翔子(中谷美紀)feat. 婚約者(鈴木亮平)、部下(安めぐみ)
森岡ミサ(戸田恵梨香)feat. カツヤ(小柳友)
萩原時江(宮本信子)feat. 萩原亜美(芦田愛菜)
伊藤康江(南果歩)
権田原美帆(谷村美月)feat. 小坂圭一(勝地涼)
門田悦子(有村架純)feat. 遠山竜太(玉山鉄二)

部下に婚約者を奪われたキャリアウーマン。
ズルズルと半同棲状態に陥った彼氏からの暴力に悩む女。
息子の嫁とそりが合わない年配の女性。
面倒臭いママ友に翻弄される気弱な主婦。
苗字のいかつさが苦しい雑草オタクの女子と、同じ大学に通うパンク好きで軍オタの男子。
頭の悪い年上の彼氏を持つ受験生。

みんなそれぞれ、絶望的っていうほどじゃないんだけどなんとなくうまくいってない、そんな毎日を送っていた。
見ず知らずの他人同士が、電車の中で出会って会話をするうち、心の中に抱えていたモヤモヤの塊が少しずつ溶け出して、晴れやかな気分になっていく。
その様子は心が温まるような気がするんだけれど、実際は根本的にほとんど何も変化も解決もしていないなっていう感じだった。

都心に住んでいると、こういう「出会い」は、どうも不自然に感じるなぁ。

私自身も、子供が生まれて電車の中などで見ず知らずの人に話しかけられる機会が増えた。
励ましてくれたり子供に話しかけてくれたり、有り難いなと思うことがほとんど。
でもそれ以上の関係になるかというと・・・
ホームで話したりお茶しに行ったり、もう一回会ったときに会釈したり、そういう「その場限り」から一段深い関係に移行するというのは、ちょっと違和感。

まぁ、「片道15分の奇跡」だからこそのリアリティってことか。
人と人との関係が希薄になったからこそ、その稀有さが小説や映画の題材になったというね。
満員の田園都市線が舞台じゃないもんな。笑

確か小説も読んだ気がするんだけど、よく覚えてない。
もしかしたらこの映画自体観るのが2回目なのかもしれない。笑

個人的には中谷美紀扮するキャリアウーマンのストーリーが一番好き。
もっとえげつなくスカッとする復讐だったらもっと好きになっていたと思うけど、原作者はきっと優しい平和主義者なんだろうな。
何はともあれ、中谷美紀が綺麗だったから万事良しとしませう。

Chisa