劇場公開日 2016年8月19日

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「男尊女卑バスターズ」ゴーストバスターズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5男尊女卑バスターズ

2017年1月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

興奮

1970~80年代はエンタメ映画の宝庫。
それら数々の名作に新作が作られる事はいいとしても、リメイクやリブートの類には首を傾げてしまう。
例えば、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のリブートなんて誰が見たいだろう。
「ゴーストバスターズ」もそう。あのノリや雰囲気が作品の魅力。
リブートがそれに勝てるか。
だから、「ゴーストバスターズ」のリブートが発表された時のバッシングは妥当な反応だと思う。
しかし実際見てみたら、新味とオマージュがいい感じでケミストリーし、思ってたより良くて驚いた。

まずは、今回の一番の話題でありバッシングの理由の一つでもあったであろう新生“女性”ゴーストバスターズの面々。
が、これは心配無用だった。
クリステン・ウィグとメリッサ・マッカーシーのコメディエンヌの才は安心安定レベル。
ケイト・マッキノンとレスリー・ジョーンズはよく知らなかったが、コメディエンヌの才は疑いの余地ナシ。
4人の掛け合いはひたすら愉快。
キャストが女性に…云々よりちと心配だったのは、作風。
と言うのも、クリステンとメリッサと監督のポール・フェイグは「ブライズメイズ」のトリオで、同作は面白いコメディではあったが、女性版「ハングオーバー!」とも言える下ネタお下劣ネタが少々えげつなかった。
「ゴーストバスターズ」もそうならないか。お下品R指定の「ゴーストバスターズ」なんて見たいか。
それらは完全に抑えられ、エンタメに徹していたので安心した。

爆笑助演男優賞として忘れちゃいけないのが、クリス・ヘムズワース。
見てる分にはイケメンで彼女たちには目の保養だが(特にクリステン演じるエリンがメロメロ)、とんでもなく天然でアホ丸出し。
まさか彼にこんなコメディのセンスがあるとはね~!

オリジナルが人気作でエンタメ映画となると、オマージュは欠かせない。
初っぱなからのお馴染みのテーマ曲にウキウキ。度々アレンジして流れ、「スター・ウォーズ」や「ロッキー」もそうだが、名曲はホント、作品を盛り上げる。
ガジェットがオリジナルに似てて嬉しい。
似てると言えば、ゴーストたちのデザインも。
技術が進歩しスケールはアップし、ゴーストのクオリティも高くなったが、オリジナルのレトロなデザインを彷彿させる。
そして何と言っても、オリジナル“キャスト”とオリジナル“ゴースト”の登場にニンマリ。
何処で登場するかは見てのお楽しみ。

周りに信用されず、からかわれていたオタクな負け犬たちが、危機から街を救う。
昔も今もゴーストバスターズの活躍は楽しく胸躍るものだが、今作は今のハリウッドを見てるように思えた。
おそらくリブート自体よりキャストが女性に変わったからバッシング。劇中でも男尊女卑をチクリと風刺。
新生ゴーストバスターズはゴーストじゃなく、本当はそんな男性上位社会のハリウッドを退治していたのかもしれない。
これから「オーシャンズ11」や「エクスペンダブルズ」の女性版が製作されるが、正直、見てみたいし楽しみにしている。

近大