劇場公開日 2010年8月13日

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「速いテンポに巻き込まれないニコラスの“ゆるさ”が噛み合っている」魔法使いの弟子 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0速いテンポに巻き込まれないニコラスの“ゆるさ”が噛み合っている

2010年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

ニコラス・ケイジ・・・ここのところ外し気味の作品が続いているが、この作品はそこそこに愉しめる。汚れたコートに尖った靴といった風貌が妙に似合うのと、作品の速いテンポに巻き込まれないニコラスの“ゆるさ”が噛み合っている。悪の魔法使いホルヴァートのアルフレッド・モリナが、ねちっこい味を出していて、ニコラスとふたりして気弱な雰囲気を持つジェイ・バルチェルを翻弄するところに面白みがある。
また、同じ素材から作られたミッキーの「ファンタジア」(1940)をパロったシーンにはにんまりする。
今の映像技術があったればこその作品で、怪しげな魔法の世界もほどほどに描けている。
それでも本国アメリカで超ヒットにならなかったのは、ヒットメーカーといわれる製作者ジェリー・ブラッカイマー自身が造り上げた、こうすればヒット作が産まれる“勝利の方程式”の乱用にありそうだ。「ナショナル・トレジャー」(04)あたりから兆候があったが、何を観ても画一的で予想外の面白みに欠けているのだ。刺激的な冒険心がなく、いつのまにかありきたりで、そつのない作品ばかりになってしまった。けっきょく、「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(06)も間延びした作品になってしまい、ここ数年で意外性を持った作品は「デジャヴ」(07)ぐらいだ。
エンド・ロールのあと、ガラスのデシケータに保管された“あるブツ”を見せるあたり、ほんとにそつがない。くすぐりとオチが一度にくる。

マスター@だんだん