劇場公開日 2011年12月1日

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「結構楽しめました。」タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 alalaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0結構楽しめました。

2020年1月21日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

単純

興奮

安定のGyaO!での視聴でしたが、GyaO!ではかなり悪い評価が結構あって、有名作品なのに映画化しただけでそんなに!?と逆に好奇心で見てしまいました。

…そんなボロクソ言う程かなぁ?普通に面白かったです。
迫力もあり、タイトル通り冒険もしてますし、そこそこちゃんとアクションしてましたし。
GyaO!では☆1連打くらいの勢いだったので、何でそんな評価低いんだろうと思って今ざっと読んでみたら「子供向けだった」「3D キモい」「キャラがウザい」という低レベルなレビューばかりでした。ナルホド。
しかし「子供向けだった」って…タンタンて元々子供向けの漫画じゃん…?何を期待して見たんだろう…突如爆乳の美女とウハウハするアダルトタンタンのターンになるとでも思ったんか…

んなこたぁ置いといて、タンタンシリーズなんて全くもって読んだことない状態で見たため、「名前は聞いたことあるけど(かなり昔の)ミスドのイラスト書いてたアレ??」くらいの知識したないまま見ましたが、もはや時たまノンタンとすら間違えるレベルの無知でも充分楽しめました。
たまに原作を充分リサーチしてからじゃないと、キャラの設定やら相関関係やら何もわからないまま事件が起きて、漸くキャラ把握した辺りで映画が終わる…みたいなのもたまにあるので…
今作はキャラのあれこれが覚えられない人でも簡単に覚えられるかなと思います。如何せんキャラ数がかなり少ない。主人公タンタンとその飼い犬スノーウィ、敵のサッカリン、ハドック船長、ICPO2人とあとは雑魚。これだけ。こんな少人数であれだけ壮大な冒険してたってのもなかなか凄い。

タンタンは初期設定14歳くらいで、後に17歳くらいまで成長するらしいのですが、17歳だとしても!初見だと「タンタン何者だよww」と笑ってしまうくらい色んな特技を見せてくれます。
突っ込みが間に合わないくらいオリンピック選手もドン引きレベルのアクロバットを見せてくれますが、もう途中から慣れます。笑
アニメだしね!!!!!(魔法の言葉)

あらすじ:
主人公のタンタンはあらゆる事件を解決し記事にする、地元でも有名な少年記者。ある日古物市で精巧な船の模型を見付けたタンタンは、その船ユニコーン号について記事にしようと100ドルで購入。直後にその船を渡せ、手放せ、倍額でも良いから売れ等と2人の男に声を掛けられるが、タンタンはいくら積まれてもこれは売らないと拒否する。自宅にそれを飾ったは良いが、飼い犬のスノーウィと近所の猫の喧嘩によって模型は壊れてしまい、中から謎の羊皮紙が。図書館でユニコーン号について調べている間に自宅に二度も泥棒が入り、模型は持ち去られてしまう。また「船を手放せ」と忠告してきた男が銃殺され、その男がICPOの警察官と判明、模型に隠されていた羊皮紙を他に狙っている者がいると知った直後、タンタンは海上の大型船に監禁されてしまう。羊皮紙に書かれているヒントを基に、ユニコーン号の所有者やその子孫について解き明かし、その大型船の船長でありユニコーン号の船長の子孫でもあるハドックと共に謎を解きながら冒険を繰り広げていく…

いやー、子供向けだし、冒険ったって大して広くない場所をウロウロするだけだろ~?とナメてかかってましたが、いやタンタンすげぇな…海跨ぐし、セスナみたいなの運転するし、無線のトンツーできるし、天才児ですか?ハワイで親父に銃の撃ち方習ってる系?
頭も良くて機転も利いて運動神経も抜群でって…いや神か。絶対に人間じゃないです。
でも一応、普通の人間の設定なので、かめはめ波とか撃ったりしませんし、突然スーパーパワー手に入れたりもしません。なので、あくまでアクションシーンは凡人でも運が最高に良ければまぁまぁやれそうな「普通」のやり方で戦います。
多分、普段CGゴリゴリのアクション映画見てる人にとっては地味っちゃ地味。
その代わりピンチのシーンがやたら壮大なので、全体的に地味なまま終わるということは全くありません。
話もサクサク進んでいくので、同じ場所にずっと留まること自体ほとんどなく、退屈する間もなく展開していきます。
ただ、区切りの良すぎる箇所(?)が何か所かあり、107分しかない割に長く感じました。というのも、本当のラストより前に、何度か「あれ、もう終わりかな?」と思わせるような落ち着いたシーンや場面切り替えが入り、思わず残り時間を確認してしまうという自分の悪癖が出てしまいました。退屈させられるような作品じゃなかったのに…この出来なら、勢いでラストまでとか、せめて半々くらい持って行けたんじゃないかと思うんですが、ちょくちょく我に返ってしまい残念。
あと、ドジっ子がね…可愛くもねえドジっ子が、しょっちゅうやらかしてくれるんで、そういうのマジで苛つくわ~って人には無理かも。基本こういう映画って、馬鹿が馬鹿なことやって馬鹿なことになるのはお約束なので…でも自分が最も苦手な全然笑えないクソみたいなジョークが入ってなかったのが救い。
あと子供向けなので当たり前(?)ですが、敵キャラでも何でも、絶対死んだろ今!!!と思うようなシーンでも都合良く死にません。皆生きてます。「そういやあいつどうなったんだろう…。」と震えることなく笑顔で終われます。

ちなみにゴリゴリのイギリス英語やちょっとフランス?スペイン?っぽい訛りの英語で喋ってるので勝手にイギリス映画かと思っていましたが、調べてみたらアメリカ映画なんですね。で、原作の漫画はベルギー…。だからフランス訛り?えぇー…?
ちなみにタンタンは原作ではベルギー出身の設定らしいので、街並みもベルギーなの…かな?出てくる奴らの恰好がイギリスっぽかったんですが…そもそも何でタンタンがゴリゴリのイギリス英語喋っとんねん。ベルギーってドイツ語・フランス語とかじゃなかった?タンタン、お前まじで何者なんだ。
映画を見終わったあとも謎が深まるばかり(ユニコーン号よりタンタンについて)。
そんなこんなも含めて面白かったです。タンタンに興味を持つきっかけになりました。

画質ですが、モーションアニメなので3Dポリゴンみたいなやつがヌルッと動きます。この動きが苦手な人が結構いるようで、自分もあまり得意ではないですが、個人的に本作はそんなに気になりませんでした。最近はアニメ(特にアイドル系)も踊る時だけモーションだったりするそうで、ちょっと見せてもらったらアレは気持ち悪くて自分には無理でした…流石に金かけて作ってるだけあって、週1アニメより作りが良いのかも(当たり前か)。
先程ネットで調べた感じでは、原作タンタンのファンからしたら、これ誰?くらいタンタンが別人です。孫悟空と同じで髪型で辛うじてわかる?
そういう意味ではファンは「ナニコレ…」かもしれません。ファンじゃない自分には問題にするほどのビジュアルでもないですが、今こうして原作の画像と比べてみると…こりゃひでぇや…
キャラデザは別として、爆発シーンの迫力や逃亡シーンのスピード感なんかは、爽快感があって良かったです。これ大画面だったらかなりワクワクできたんでは。映画館で4DXで観たら絶対面白いです。評価☆1つくらい変わっちゃってたかもしれない。

とはいえ『スパイダーマン』だの『アベンジャーズ』だのみたいな、見るからにシャープでカッチョイイ映画とは全く別物なので、っていうかジャケ写でわかる通りユルい絵面なので、「この絵面でこんなにアクション!!?」という驚きもあってのこの評価です。
個人的に完ッッ全にユルユルの映画を想像してたので、タンタンお前その顔でアグレッシブだね!?と意外性が評価に繋がったのも大きい。笑

大人になっても児童小説を楽しめる人や、ルパンをもっとやんわりな内容にしたようなストーリー(人死なないし)が見たい人、日頃疲れてて暗い話は一切見たくない!ユルくスカッとしたい!という人にお勧め。

alala