劇場公開日 2009年12月19日

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「バレエよりも、ふしぎなおばちゃんのほうが、頭に残っちゃった」ベジャール、そしてバレエはつづく septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0バレエよりも、ふしぎなおばちゃんのほうが、頭に残っちゃった

2009年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

幸せ

サクセスストーリーをシンプルに
ドキュメントにしているから、ダンサーや
振付師の気持ちが、真っ直ぐに伝わってくるな
心を打たれるドキュメンタリーだったな(笑顔)
それにしても、隣のおばちゃんは・・・

感想、
まず最後に書いたおばちゃんから行きましょう(そこからなんだ(苦笑))

上映前からパフォーマンスが型破りでした。
満席だとアナウンスをしているにもかかわらず、
何処から持ってきたのか大荷物を自分の隣の席に、ドッカと置いて一席占領。

なんや、こいつ?

上映開始後、前から2列目と、
うしろの座席で鑑賞する人の目線に影響を与える
ポジションにもかかわらず、頭を左右に激しく振る。

なんや、こいつ??

もう映画に集中できない(苦笑)
頭を左に傾け動きが止まったな、、、
そんなおばちゃんのことを忘れて作品を
観ていると、今度は周りの人が顔をしかめるくらいの
高いびきを、轟かせて爆睡。結局、映画が始まって20分くらいしてから、
客電が点灯するまで、ず~~っと、寝ていました。「昔は映画館に寝に来る人もいた」
なんて話を耳にしたことがありますが、1,000円払って寝に来たのでしょうか???

年の瀬に来て、不思議な体験をしてしまいました。

◇   ◇

さぁ、本編へ。

モーリス・ベジャール

私は今作を観るまで知りませんでしたが
バレエ界を超えた様々なエンタテイメントの分野で
名を響かせた著名な人。親日家で歌舞伎を題材にした作品も作ったことがあるそうです。

しかし、2007年11月22日逝去。

彼亡き後、彼の言葉を受け、
バレエ団を率いることになった
ジル・ロマンと40人のダンサーたちが
彼亡き後、プレミア上演される初舞台までの
壮絶な練習や、苦しみ、悩みを映しだしたドキュメントになります。

ジル・ロマン
偉大な師。モーリス・ベジャールと約束。
「ジル・ロマンの振付で作品を上演する」

名前が地下鉄の駅につけられてしまうほど
偉大で、影響を与えてきた人ですから、それは並大抵のプレッシャーではありません。

困難は、これだけではない。
バレエ団の本拠地。ローザンヌ市からの助成金は
これから先3年間だけ確約。そこから先は未定。

つまり、
自分の振付で公演を成功させなければ、
ダンサーとしての自分の名声も失い、
40名の団員を路頭に迷わせてしまい、
偉大な師が作り上げたベジャールバレエ団の歴史に、
自分が幕を下ろしてしまうことになる。

そんな山積した困難の中
初公演を迎えるまでの姿を
過去の名演も織り交ぜながら進められていく。

◇   ◇

ナレーションありません。
亡きベジャールの声、ジル・ロマンや
バレエ団の団員が話す言葉がメインですから、
監督の意図は、あまり感じられず、ドキュメント対象者の心情が
ストレートに伝わってきます。リーフレットに「2010年11月来日」と
デカデカと広告がうたれていますので、鑑賞前から成功は知っているという
怒るべきなのか、笑うべきなのか、なんとも難しいリアクションを求められるのですが、
ラストの万雷の拍手には、素直に胸を打たれました。特に、袖から団員に拍手を贈る、
ジル・ロマンの後姿には、感動すると同時に、首を傾けるだけで感情って表現できるんだな、
なんて、小さな発見もさせてもらいました(笑顔)

☆彡     ☆彡

2010年11月
実際の舞台を観てみたい気もしますが、
来日公演となると、1万円以上はするんだろうなぁ。

Live spireまで待つとしますか。
やるかどうかわからんけど(苦笑)

septaka