劇場公開日 2009年12月12日

「改めて冷静に見ても・・・・?」宇宙戦艦ヤマト 復活篇 ジェームズ・ボンドさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0改めて冷静に見ても・・・・?

2010年11月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

ヤマトはTV第1作目からのファンであり一番好きなアニメである、もちろん全てのシリーズは見ており多少の辻褄の合わない処も大らかな気持ちで見たものだが(ファンの間で物議をかわしたあの「完結編」も好きである)
しかしこれは別である、こんな形で復活するのであればいっそのことずっとアクエリアスの海に沈んでいてくれた方がよかった。
まずヤマトである。CGで描かれたヤマトは綺麗であり旧作のようなデッサンの狂いもないのは非常に良かったのだがその分重量感や迫力がなくなり特に主砲がビームの様に細く発射音が例の音ではなく軽いものになっていたのにガッカリした。この発射音と閃光こそがヤマトの肝の一つ、これがなければヤマトではない!
次に音楽、ヤマトといえばやはり音楽である、宮川 泰氏の素晴しいこの音楽を聴きたくて何度見ただろう(特にイスカンダルのテーマは心洗われる名曲ですね)この宮川 泰そして羽田健太郎両氏に果敢に挑戦する人が本当にいなかったのだろうか?、途中で掛かったクラシックはどうしようもなく画面に合っていなかった。
そしてアルフィーの歌うヤマトのテーマである。イメージソングとして使うならまだしも劇中で使って欲しくなかった、おかげでアクエリアスの氷塊からの復活という一番重要な感動シーンが台無し、一気に熱気が冷めてしまった。ここがささきいさおのオリジナル又はSEを使用していれば作品のイメージも随分変わった筈。
でも主題歌は良かったです(それにしても「レンズマン」「999」とアルフィーは不幸ですね)
そして、ストーリーとキャラクター設定については他のレビューの方も書かれている通り同意見ですがもう少し加えると
 1)全員の制服を何故新タイプに統一しなかったのか?そもそもちゃんとした艦長服を着ない古代からして変だ
 2)古代と真田は何故佐渡先生とアナライザーをヤマトに召還しなかったのか?スタートレックのカークのように作戦の成功そして艦の指揮に不安があるならそうするべきだ!
 3)森 雪いや古代 雪が何故艦長になっているのか?大体艦の艦長などイメージとして合わない、美雪と一緒に地球に暮らして居る方がよっぽど合っていたと思うのだが
 4)相原、南部、太田、山崎、加藤といった旧ヤマトメンバーもなんらかの形で登場して欲しかった。彼等について何も触れなかった事にもがっかりした。
 5)副長は死ぬ必要があったのか?本当に勿体無い2部、3部と続けるつもりだったならこういうキャラクターをもっと大事にするべきだ。今度こそ重要キャラが死なないヤマトを見たかったのに・・・・。
公開からまもなく一年が経とうとしているがその時の落胆と怒りはいまだに収まらない、もうすぐ公開される実写版がこんなことにならなければいいなと不安と期待が入り乱れる今日此の頃である。
そんな時に入った西崎Pの訃報、死者に対して鞭を篩う気はないがこんな作品を作ったバチ当たったとしか思えない、第2部、第3部はぜひあの世で作って欲しい

ジェームズ・ボンド