劇場公開日 2010年6月26日

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「リメイクものの宿命か」エルム街の悪夢 かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5リメイクものの宿命か

2010年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

拙ブログより抜粋で。
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 結論から言えば、控えめに抑えた期待通り、今どきのホラー映画としてまあまあの凡作。
 ホラー映画の楽しさを教えてくれた1984年版を観てからすでに四半世紀近くも経ち、スクリーンから漂う雰囲気に懐かしさを感じると同時に、いくら最新技術で名シーンを再現されても、もはやこのシリーズは古典なんだと認めざるを得ない、なんとも言えない感触が感慨深かった。

 前半はかなり忘れかけていた旧作の“雰囲気”を忠実になぞっている印象。
 キャストが旧シリーズでフレディを演じたロバート・イングランドからジャッキー・アール・ヘイリーに代わったのでフレディの顔立ちが変わったのは個人的にはギリギリ許容範囲。
 細かいストーリーは意外とアレンジされているんだけれど、超有名なバスタブの湯の中から伸びてくる鉄の爪とか、廊下を引きずられる遺体袋とかの再現に、あったあったと思い出す。
 ただシーンとして忠実に再現しているのはわかるのだが、どうも演出が淡泊で、旧作で感じたはずのゾクゾク感がまるでない。ほんと、ただ再現しただけっていう印象なの。

 観ながら感じていた違和感は後半でより強くなる。
 いかにもホラーに謎解きを入れたがる今風だなと思ったのだが、悪夢に悩まされるナンシーらのフレディの正体探しが始まっちゃう。
 それ以上に驚いたのが、行き着くフレディの正体。
 おいおい、ちょっと待て、フレディってそんなロリコン変態男だったか?いやまぁ、連続幼児惨殺魔なんだからそういう傾向はあったかもだけど、そんなあからさまに言及されちゃうと違う映画になっちゃう。
 旧シリーズで自分が感じてたキラー・モンスター、フレディ・クルーガーの魅力って夢と現実を交錯させる神秘性と、絶対的優位からくる余裕かましたインテリジェンスな狂気だったんだけど、これじゃただの異常小児性愛者じゃん。

 後半に感じた強烈な違和感から、思わず旧作を観直しちゃったよ。ひょっとしたら自分の記憶違いかもしれないと思って。
 そしてわかってしまった。やっぱり名作ホラーと呼ばれるオリジナル版の方が断然面白い。

かみぃ