劇場公開日 2009年7月25日

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「起こるべくして起きた奇跡?」セントアンナの奇跡 いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0起こるべくして起きた奇跡?

2009年7月17日
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

幸せ



 どうして真面目に生きてきた男が殺人事件を起こし、
 価値のある彫像を所有していたのか。

 冒頭でグッとつかみ、第2次世界大戦下のイタリアに飛び、
 謎解きをしていく、というよりも、
 スパイク・リーらしくと言えばいいのか、ナチスを単純に悪にとか、
 黒人を単純に差別するとか、というのではなく、
 ドイツ軍も連合軍もパルチザンも入り混じり、単純ではない人間の醜さと、
 純粋さを描いていく。

 じっくりと2時間40分あまりをかけて。

 助ける少年の描き方も、
 ラストの奇跡もファンタジックに描かれ上手く調和し
 トンマッコルへようこそ と同じ様な印象も受けます。

 R指定の付いてる作品ですし、
 エンドロールにはILMのクレジットもありましたので、
 戦闘シーンなどの描写はリアルですが、
 イタリアの人々に差別されない黒人兵が
 自由をはじめて感じたというようなセリフなどが強く残り、
 人種や宗教の壁って、差別する側、される側の違いってなんだろうと、
 複雑で考えさせる作品でありました。

いきいき