劇場公開日 2010年1月16日

「劇中歌のための映画」BANDAGE バンデイジ RIVEさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5劇中歌のための映画

2010年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

萌える

音楽プロデューサーが監督した音楽映画というだけあって
音の演出がより濃くなってる作品。
スワロウテイルから始まり、今までにもいくつか小林武史さんが
音楽を担当する映画を見てきたけど今作もハズレなく
赤西仁と杏の歌声も含めて、抜群に音楽がいい。
すでに劇中歌のアルバムが公開前に出ているけどもし先に聞いてて
気に入ったなら是非一度見てもらいたいと思う。
物語は全体的に実際の日常を切り取ったような描写でどちらかというと
淡々と進行していくんだけど、そのぶん劇中で使われる楽曲が
効果的に引立っているように感じる。
むしろ楽曲が主役といっても過言ではないかもしれない。
逆に言えば使われてる曲が好みに合わないと
物語がつまらなく感じてしまうかもしれないけれど・・・
それでもLANDSは実在しているんじゃないかと思うくらい
キャストがそれぞれ役にハマっていて…
アサコ演じる北乃きいは感情表現豊かで文句なしにうまいし
音楽を純粋に愛しているまっすぐで男前なアルミ。
寡黙ながらも圧倒的な存在感のユキヤ、とくに薄暗い部屋で
楽曲アレンジする姿にはゾクっとする。
そして主役のナツは軽薄で何事にも中途半端とどちらかというと
際立った所がない普通の男なんだけど、だからこそ自分の才能の限界を
感じて苦悩する姿はきっと多くの人が経験したことのある
人生のつまづきと共感できて切なくなる。
脚本的に多少アレ?と思うところがないとは言わないけど
見終わったあとのなんともいえない余韻はクセになりそうな不思議な感覚。

RIVE