劇場公開日 2009年4月11日

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「豪華な貴族社会に生きる女の光と影」ある公爵夫人の生涯 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0豪華な貴族社会に生きる女の光と影

2013年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 80
音楽: 75

 優雅な衣装と宝石に身を包み、豪邸に住みながら毎夜のように宴会と賭け事にうつつをぬかす生活は、当時の一般市民から見れば夢のような生活だろう。だが上流社会には上流社会なりの不幸があり、特に社会的に弱い立場であった当時の女性には制約だらけで自由もない。幸せそうな少女時代は過ぎ去り、時間の経過と共に夫との恵まれない結婚に追いつめられ、社会と家のしがらみの泥沼にはまりもがく女性の生涯の儚さが物悲しく綴られていた。
 この時代の絶対権力者である貴族では当たり前であったかもしれないが、それでも夫の行為は裏切りとなって妻の心を傷つけるし、彼との口論や争いの描写は生々しく伝わってきた。ぎすぎすとした殺伐な雰囲気が後半を覆っていて、見ているこちらの感情に直接訴えかけてくる。傷口を触られているような気分にもなって心地よいものでもないが、彼女の感じることがよく理解出来るうまい演出ともいえる。

 細部にもこだわりが見られる豪華絢爛な衣装・セットはたいしたもので、英国の時代劇の質の高さが感じられる。まさにこちらが貴族社会にいるかのように思わせてくれる。美しい風景や建物を意識的に撮影している映像も良いし、音楽もよく作品に合っていた。

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Cape God