劇場公開日 2009年4月25日

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「頑固で不機嫌な朝鮮戦争帰りの年老いた男。 彼の心を開いたのは、隣に越して来たベトナム一家の娘だった。」グラン・トリノ ezuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0頑固で不機嫌な朝鮮戦争帰りの年老いた男。 彼の心を開いたのは、隣に越して来たベトナム一家の娘だった。

2022年12月23日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

ラストにベトナムの民族衣装で正装したタオとスーの姉弟が、
悲しみをこらえながら、毅然として葬儀に向かう姿が
この映画のすべてを物語っています。
いかに生きるかということは、いかに死んでゆくかということであり、
意味ある死などないかもしれないが、自分が納得した死に方であれば、
意味のある人生を生きたといえるのではないか。

義を見てせざるは勇なきなり。

懺悔することすら馬鹿らしいと思い込んでいる男の背中を
そっと押したのは新任の牧師だった。周りと同調しようとしない、
頑固で不機嫌な朝鮮戦争帰りの年老いた男。
彼の心を開いたのは、隣に越して来たベトナム一家の娘だった。

唯一会話が交わせるようになり、社会とのつながりが出来かけた時
娘は凌辱され無残な姿で帰って来た。、
一家が一生なき者扱いされることを思うと、
座して死を待つことは自分の心が許さない。

一貫して生きることの何たるかを問うてきたクリント・イーストウッド監督の
ストーリー展開が明確な、見ごたえのある作品です。

アーニー・ハーが普通で気さくな娘スーを好演しています。

ezu