劇場公開日 2009年9月5日

「やはり原作と比較はキツイか!?」BALLAD 名もなき恋のうた live_at_luxorさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5やはり原作と比較はキツイか!?

2009年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

遅ればせながら劇場で観てきました。

クレヨンしんちゃんの劇場版作品が原案となった作品。
原作(?)の方は、以前にTVで放送していたのを観ていたので
“大人が涙ボロボロこぼす作品”という予備知識ありです。

TV局主導の企画作品というくくり自体に少々抵抗があって
主演陣の面々を見ても残念な印象が拭えなかったんですが、
ここでの評価が思ったより良かった事もあって
努めてハードルを下げ気味にして座席に着きました。

冒頭からしばらく。
突っ込み所は随所にあるものの、
ことのほか自然に進む展開。

「お。ぜんぜん観れるぞコレ。」

お城や合戦のシーンになると
大掛かりなセットやエキストラ、
意外な殺陣のクオリティーなどで
迫力も充分の見せ場も多くありました。

「おお!いいじゃんいいじゃん!」

が…

それでもやっぱり突っ込み所は多分にあって…
徐々にそれが気になり出します。

場面が進み、盛り上がれば盛り上がるほど
なぜか気になるんです。

「・・・・・・。」

「なんでだろう…。途中まで良かった気がしたのに…」

「・・・!!!」

「ああ!!そっかぁ!!!!」

実は先日…。

運悪くと言うか何と言うか
黒澤 明監督の「乱」を観たばっかり。

その直後ということもあって
合戦が激しくなればなるほど、
殺陣がクローズアップされればされるほど
無意識に比べちゃっていたんですね。きっと。

序盤こそ努めてハードル下げて鑑賞してたので
小さな突っ込みは避けていたんですが、
下手に入り込む余りについつい辛い観かたに…。

すいません…。

そんなモードに入ると
脚本や物語そのものにも不満が出始めます。

せっかく原作にない要素を盛り込んでオリジナル色も
ちょいちょい入れてたのに

「そこはそのままなんだ…。」

「描写薄っ!!」

「おいおいエキストラ頑張ってよ…。」

「あれぇ?あの場面ないのぉ?!!
あそこが一番泣けるんじゃん!!」

「でも待てよ。さっきアレ持ってたし…」

「・・・・・・。」

「あららら終わっちゃったよ…」

もはや後半は完全に駄目なタイプの観客でした…。ワタクシ…。

最高峰との比較になっちゃ酷な話なんですが、
特に合戦とか殺陣とか心理描写とか、
ここ一番の大事なシーンになればなるほど
くっきりと埋められない差が出てしまう。

原作との比較にしたって
アニメ版であれば畳み掛けるような描写が
やはり実写の子役には再現させることすら難しい。

こうなるとやっぱり往年の時代劇にも名作アニメ映画にも勝てない。
TVドラマのスペシャルくらいに見えてきちゃうんです。

これは例え全くの別物として見たとしても
“映画”という大きなくくりでのクオリティの問題。

スペシャルドラマとしてなら充分に良くできていると思います。

これは完全に観かたが悪いですかね…
悪くはないんですよ。作品は。きっと。

なんとも消化不良な作品になってしまいました。

映画は比較で観るものじゃないですね^^;

※他サイトより転載(投稿日:2009/10/21)

live_at_luxor