劇場公開日 2009年5月16日

  • 予告編を見る

「あなたは、どのカップルに共感するでしょうか?」60歳のラブレター カサキショーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5あなたは、どのカップルに共感するでしょうか?

2009年4月9日
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

三組の還暦に差し掛かろうとする男女の群像劇。

主軸になるのは、出世の為に家族の事を振り返らない夫と、そんな夫に従い
自分の感情を抑制して来た妻、だが、二人は夫の定年を期に離婚する。
二組目は、互いに口汚く罵るものの、糖尿病の夫の為に
ウォーキングを毎日している魚屋の夫婦。
夫には欲しいものがあった。それを知らぬ振りしている妻。
三組目は、妻に先立たれた医師と行き遅れたキャリアウーマンの二人。
互いに惹かれ合っているのに、もう一歩を踏み出せない。

そんな三組の60歳のカップル。

夫々に味があって面白味をだしているのですが、
やっばりイッセー尾形と綾戸智恵演じる魚屋の夫婦の
エピソードが私は好きでした。
夫の方の病気を心配していたら、実は奥さんの方が大変だった。
夫は愕然、自分の今までの気持ちを奥さんに買ってもらったギターを
奏でながら、ベットに眠る妻に必死に訴えかけます。
自分の感情を切々と訴える姿は悲哀を誘います。
それは長年連れ添った二人の歴史でもあるのです。
イッセー尾形というキャラのおかげかもしれませんが、味のあるシーンです。

カサキショー