劇場公開日 2008年8月16日

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「働けど働けど」この自由な世界で 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5働けど働けど

2018年7月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

知的

カンヌ・パルムドールに輝いた『わたしは、ダニエル・ブレイク』同様、ケン・ローチがイギリスの労働階級の実態を浮き彫りにした2007年の作品。
しかしこちらはよりヘビー。

職業紹介所で働く女性が突然解雇に。
そのノウハウを活かし、自ら職業紹介所を立ち上げるのだが…。

彼女が目を付けたのは、外国人労働者の職業斡旋。
低賃金や労働者の住込部屋も一部屋に数人押し込むなどしてコストを削減し、自分はたんまり稼ぐ。
勿論、労働者との間に軋轢が。
自らも金儲けに目が眩み、道を踏み外していく…。

主人公はシングルマザー。一人息子を両親に預けている。
彼女がこんなにも働く理由は、生活の為と息子とまた一緒に暮らす為。
その気持ちは分からんでもないが…、その違法なやり方は弁明にはならない。
欲深さ、自業自得と言ってしまえばそれまで。

社会派作品で知られるケン・ローチだが、主人公がどんどん一線を超えていく様はサスペンスフル。
それは同時に、やってはいけない事、厳しい社会の現状がひしひしと痛いくらい伝わってくる。

働けど働けど…。
この世界の先に、本当に自由があるのだろうか…?

近大