劇場公開日 2009年4月4日

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「最後まで目が離せない良質のサスペンス映画」ザ・バンク 堕ちた巨像 hjktkujさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0最後まで目が離せない良質のサスペンス映画

2022年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波、VOD

原題は「The International」、邦題は「ザ・バンク 堕ちた巨像」である。IBBCという「ザ・バンク 巨像」の大銀行が、ミサイル売買に関与して、その取引の利ザヤではなく、負債を背負わせることによってその国を支配し利益を上げるという戦略を告発した映画である。このIBBCという銀行のモデルとなったのは1991年に経営破綻した「ザ・バンク 堕ちた巨像」の国際商業信用銀行である。さて、この映画は、インターポール捜査官クライヴ・オーウェンとニューヨーク地方検事局員ナオミ・ワッツが、内部告発者、IBBCの幹部、巨大軍事産業の社長、IBBCの殺し屋、裏切り者らを捜査しながら陰謀の核心に迫っていくという物語である。テンポが速く、118分間緊迫感に溢れた、2009年製作の良質のサスペンス映画である。映画製作時に意識していたかどうかは知らないが、実際、現在では、一民間銀行ではなく、チャイナ銀行が同様の手口で他国を支配しつつあるのは周知の事実でありこの作品は警鐘を鳴らしていたという意味においても傑作と言える。暗殺者が薬品や放射性物質を使って対象者を殺害するのは周知の事実だが、映画はいきなり、ある捜査官がIBBC暗殺者に殺害され、クライヴ・オーウェンも同時に交通事故にあって意識を失ってしまう。一体何が起きたのかわからないまま観客もクライヴ・オーウェンもいきなり物語に放り込まれる。このショックシーンからスタートして、ケネディー暗殺もかくありなんと思わせる、巨大軍事産業社長の暗殺シーン、ナオミ・ワッツが暗殺者に車をぶつけられるシーン、グッゲンハイム美術館での撃ち合いシーンなど、話がテンポよく進んでいき飽きない。とりわけグッゲンハイム美術館でのイングラム M11等のサブマシンガン同士の撃ち合いシーンは他に例を見ない名シーンである。イタリアだけに巨大軍事産業がマフィアっぽいのは若干信じがたいものの、巨大軍事産業の社長の息子たちが殺し屋を使って仇を討って映画は終わるのだが、最後まで目が離せない良質のサスペンス映画に仕上がっている。最近は、やたら、カンフーでの殴り合いが鼻につく映画が多いが、この作品では一切そのような絵空事のシーンはなく、裏切り者、知りすぎた者、逮捕されそうになった者らが問答無用で殺される様が徹底的にリアルに丹念に描かれている。そのへんのお気楽アクション映画では決して得ることのできない大人の満足感を堪能できる傑作である。ナオミ・ワッツは相変わらずきれいな姿を見せている。この映画はもっと高く評価されてもよいと思うが、あまり一般受けしないのかもしれない。折角の傑作なのに残念である。TV版では一部カットされているので話が分かりにくい。是非とも、118分間版をみてほしい。

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hjktkuj