劇場公開日 2008年6月7日

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「ゆっくりとピースが埋まっていく」リボルバー 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ゆっくりとピースが埋まっていく

2021年10月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

DVD鑑賞
ガイリッチーとジェイソン・ステイサムのコンビ作品。
新作「キャッシュトラック」公開前に、久々に鑑賞してみました。
そういえば髪の伸びたステイサム、この作品でしか見たことが無い気がします。
デビュー作となる「ロックストック」のように階段からコケるスタート。
それとレイリオッタ、チャーミングで実に味がある役柄。
最初から多くのピースを散りばめて、それがまた巧妙。
それと音楽が実に良い緊張感を作っていて、相変わらずセンスが良い。
偉人達の格言を各章のタイトルにつけ、それを匂わせた展開に物語を進める。これも本当によくできている
ゆっくりとゆっくりとピースが埋まっていく過程は本当に面白い。
まだ中盤程だろうに終盤のような展開をみせ、随所でハッとさせられます。
生きる為に胸に刻んだ格言、これが何度も出て来るのですが、その言葉たちがだんだんと花開くように意味を含んでいくんですね。
面白いのが二人組がステイサムに向けた「お前も泳いでこいよ?」のふり。
元水泳選手のステイサムに向けたジョークの為に用意したシーンでしょう。気が利いてます。
後半からはガラッとテイストが変わってきて、ここでいつものガイリッチーらしさから少しずつ乖離していくんですね。
このズレみたいのが、リュックベッソンと作り上げたテイストなんでしょう。
終盤はほぼモノローグで進行し、ステイサムの様々な芝居が見どころ。
他タイトルでは大体クールガイな役所ですが、こちらは表情がとても豊か。
しかし一番の見どころはラストのレイリオッタでは無いでしょうか?
ここのシーンに彼の芝居が凝縮されていて、まさに目を見張るようでした。
様々な解釈ができ一見多重人格者の物語のようですが、序盤からキリスト教のパーツが多く見受けられそれに沿わせた作品でしょう。
当時よりそれらがよく見えてきて面白かったです。
そして、そうしてみるとステイサムがこの作品で髪を伸ばしているのも合点がいくんですね。ストンと落ちました。
見返してみて良かった、実に楽しかったです。

白波