劇場公開日 2008年8月16日

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「チャイニーズ・ミイラ・ストーリー」ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5チャイニーズ・ミイラ・ストーリー

2019年11月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

興奮

『2』から7年ぶりのシリーズ3作目。
『1』『2』は何度も見ているが、『3』はレンタルで一度見たきり。

ドウェイン以外見所ナシの凡作スピンオフに比べれば、また冒険活劇やスペクタクルの醍醐味が戻り、スケールあるアクションも要所要所に、つまらなくはない。
が、『1』『2』の楽しさ面白さには及ばず、7年のブランクは大き過ぎた。

何より残念なのは、エヴリン役レイチェル・ワイズの降板。代役のマリア・ベロもいい女優さんだが、やっぱりつくづくエヴリンはレイチェルだよなぁ…。(最も、オスカー女優となったレイチェルが、もうこういう映画に出たくないと言ったとか言わないとか…)
初期の『ワイルド・スピード』を手掛けたロブ・コーエンの演出は手堅く娯楽のツボを抑えているが、良くも悪くもスティーヴン・ソマーズの漫画チックなベタな演出がこのシリーズに合っていた。
今回の舞台は中国、敵は現代に蘇った古代中国の皇帝のミイラ。別にそれらは悪くないんだけど、もはや邦題の“ハムナプトラ”は一秒だって舞台にならないし登場もしない。日本の配給会社も『1』の時は『インディ・ジョーンズ』風の上手い邦題付けたと思ったろうが、『2』や本作では「しまった!」…と思っている事だろう。
エジプトから中国へ、冒頭シーンなんて中国映画を見ているよう。
このガラリと変わった作風は、シリーズと言うより番外編な感じ。

アジアが舞台で、序盤の上海のクラブ(クラブ名は“イムホテップ”!)のシーンは、『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』を彷彿。
イエティやドラゴンの登場もアジア色ならでは。
皇帝が変身するそのドラゴンは、3つ首で、某宇宙超怪獣を連想させる。(昔見た時も、今回久々に見ても、最もワクワク印象残ったのが、ここ)
皇帝にジェット・リー、女妖術師にミシェル・ヨー、将軍にアンソニー・ウォン…中国側のキャストが豪華で、それこそ中国映画が一本作れそうなくらい。
クライマックスにはリーvsヨーのソード・バトルもあるが、せっかく武術に長ける中国スターを起用していながら中身のアクションが物足りなかった。

つまらなくはない。が、
スタッフやキャストや雰囲気も変わり、何だか残念になってしまったシリーズ物の凡例。

息子アレックスも逞しい青年となり、父リックのような冒険野郎にもなり、バトンタッチ!…と思ったら、
今度はトムくんにバトンタッチして、まさか更なる凡作になろうとは…。

近大