劇場公開日 2008年4月5日

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「モンゴル人の魂を感じた」モンゴル cinemax1957さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5モンゴル人の魂を感じた

2008年4月18日

興奮

知的

 映画の題名がチンギス・ハーンではなく、モンゴルなのはなぜか。単なる好戦的な夷狄と思われていたモンゴル民族の人間像を捉えなおしたかったではないだろうか。
 過酷な少年から青年期を生き抜いたテムジンは、皆が従う掟がない限り無駄な戦い、無駄な死が続くと考えた。女子供は殺さない、ハーンには絶対に従うなどの掟に従わせるべく闘いを続ける。
 義兄弟の契りの義理の深さ、夫と妻の信頼の深さ、公平さ、不屈の闘志が主人公の人間性を深め、勇者としての名声に加え、指導者として従うものも増えていく。彼の掟はそうした生き方から導き出されたものであった。
 抑えた台詞と動きの少ないシーンが多く、少々わかりにくくじれったく感じるところもある。しかし、モンゴル民族の魂を高め一つにまとめあげた、彼の精神性の高さ、太さを感じることができた。

cinemax1957