劇場公開日 2009年1月17日

「医療現場最優先な描き方」感染列島 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5医療現場最優先な描き方

2014年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

単純

知的

総合70点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 面白い主題だし医療現場の描き方は悪くなかった。血だらけになり死んでいく人々や、どうしてよいかわけもわからず苦しみ職場放棄すらする医療関係者もいる。強力なウィルス感染についての調査はある程度しっかりとしている。
 しかし物語は医療現場に集中していて、その他の観点がかなり軽視されている。1000万人以上が死に4000万人が感染するほどの破壊的な力を持つウィルスがあれば、国は壊滅的な打撃を受ける。経済は破綻し暴動も起きて殺し合いが発生し食料危機が起きて餓死するものが現れ町が破壊され・・・と社会そのものが大混乱してしまうはず。日本を出入国する人の数を考えれば感染を日本にだけ封じ込めることなどできるわけもなく、日本に限らず世界中で社会が崩壊していくだろう。そうなれば病院だけが安全で安定などしていられるわけもなく、おそらく「マッド・マックス」の社会に近い状態になるだろうし、だから当然医者や研究者も医療に集中などできるわけもない。劇中の医療現場と同じくらいに物語を収集がつなかいほどに膨らませすぎているのに、感染した人々と医療現場だけを普通に描いているのには現実性がない。結末も安直。

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Cape God