劇場公開日 2009年1月17日

「お話の顛末がお粗末」感染列島 かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5お話の顛末がお粗末

2009年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

稚拙自ブログから抜粋で。
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 爆発感染が日本中を恐怖に陥れていく前半は悪くない。爆発感染が起こった場合の病院や政府の対処など、かなり下調べしたんだろう、なかなか“らしい”雰囲気で話は進む。
 しかし、東京の街がゴーストタウンのようになるあたりから、どんどんそういったリアリティが手抜きになって、あげくにクライマックスは爆発感染にかこつけた悲劇のラブストーリーで無理矢理盛り上げるという、やけに陳腐なメロドラマで締められてしまう。

 みんな感染で死んでしまったのか、はたまた単に建物の中に閉じこもっているだけなのかといった明確な説明はないが、とりあえずゴーストタウンのように人気が無くなった都心。防護服に身を包んだ役人だか警官だかが感染者を見つけては連れ去っているその中を、だけどなぜか松岡や栄子たちはマスクも付けないまま平然と歩いているのは、どうにも不可思議。
 あるいは都心を映しだした空撮であちこちのビルの谷間から煙が立ち上っている、あれはいったい何?火災のつもり?ウイルス感染と火災の因果関係は?
 いや、ひょっとしたら明確な科学的、社会的、行動学的理由付けがあるのかもしれないけれど、この映画を観る限り、「どう、すごいCGでしょ」っていう傲りしか感じられない。

 後半のメロドラマに至っては、もう勝手にやって、って感じ。
 日本中をどん底に突き落とす大事件のさなか、なんで松岡&栄子のなれそめ回想シーンで延々と引っ張るかなぁ。
 いや確かに、泣ける話ですよ。けど、そこを大々的なクライマックスにしちゃうって、完全に作品の軸がぶれてるでしょうに。

 恐怖を哀れみにすり替えて、骨抜きにされた失敗作としか言いようがない。

かみぃ