劇場公開日 2008年11月22日

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ブラインドネスのレビュー・感想・評価

全24件中、21~24件目を表示

4.0人間の尊厳を考えさせられます。

2008年11月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

伊勢谷友介と木村佳乃が出演して話題にもなった映画。突然、視野が真っ白になってしまい失明してしまう伝染性の奇病。感染間は瞬く間に広がっていくが、有効な対策は無く、感染者は、不衛生で危険な環境の収容所に閉じ込められる。多数の失明者を収容した収容所は次第に秩序を無くして行くが、その中に、一人だけ、目が見える人間が紛れていた。

この映画のテーマは、何なんでしょう? 目が見えないと言う現実の前に無力を感じる者、権力欲を剥き出しにして、人々を虐げて君臨しようとするもの。そして、その目が見えない人々を人間として扱わない看守たち。そう言う環境の中でも、収容者たちは助け合って生きていかなければならない。人間の尊厳って、何なんでしょうね? 考えさせられてしまいます。

この手の映画で日本人が出ても端役の場合が多いですが、この映画では違います。製作国の一つに日本も入っているからだとは思いますが、最初の失明者が伊勢谷友介だったりと、結構重要な役を与えられています。日本語のセリフにも、日本語字幕が付けられていますが、これは、聴覚障がい者のための配慮でしょうか?

物語後半の市街地のシーンは、うち捨てられた雰囲気満載ですが、ブラジル・サンパウロとウルグアイ・モンテビデオで撮影されているそうです。近代的な街なのに、汚れきっていて、無法地帯的な雰囲気が十二分にかもし出されています。

最後がどうなって終わるかはしるしませんが、「えーっ!」と言う感じがしないでもありません。この映画は、その結末を楽しむというより、結末に至るまでの過程を考えると言うのが、正しい鑑賞の仕方なのかもしれません。

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勝手な評論家

1.0パニック映画ではありません 今年最悪の映画

2008年11月17日

極限状態における人間の本性。
そんなもの、あえてフィクションの映画を作らなくても歴史が語っている。

PG-12ですが予告やフライヤーからは想像の出来ないレベルの乱暴なシーンが含まれるので、せめてR-18にして欲しい。

オチもひどすぎるし、観てしまったこと・途中で席を立たなかった自分を恨んでしまった映画でした。

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ぴのむ

4.5白い闇

2008年11月12日

素晴らしい作品でした。
単なるパニックムービーではなく、きちんと伝えたい哲学が“見える”作品。

謎や、解らない事が多々残る作品ですが、
最近饒舌な作品が多い中でこういった完結の仕方はとても綺麗です。
ラストシーンの美しさで全てが許せるというか…、
闇が晴れた様な気がしました。

物語は突然はじまり、観るものを惹き付けます。
しかも、伊勢谷友介からはじまるので日本人は入りやすいかも。
中盤、過酷すぎる描写があるけれど、極限を描きたかった為だと解釈。
カメラの撮り方も盲目・白い闇を意識した巧い使い方でした。
ただ白背景がよく出てくる中で、白文字の字幕はちょっと辛かった。

何もかも饒舌に説明をしてくれなければ気が済まない人には不親切な作品かもしれない。
しかし、とてもクールで美しい、映画らしい映画だと思う。

興味のある方はぜひ。

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TOKUSHI

4.0それは神が与えたもうた啓示なのか

2008年9月28日

悲しい

怖い

見る前は最近多いパニックものかと
あまり期待せずに会場へ向いました。
ところが、とても大きなテーマを持った作品で、
うなずけるものの、しかし身につまされるものでもありました。

はじまりは唐突、
突然失明する者が続出、彼等は隔離されてしまいます。
その病はまん延し、拡大の一途をたどり隔離されるものが
どんどん増えていきます。
その隔離された者の中に
夫の身を案じた、
唯一目が見える医者の妻が紛れ込んだのです。

隔離された世界ではいつしか弱肉強食の社会が出来、
ならず者が銃を武器に理不尽な世界を作り出されます。
(この辺の描写がとても重いのです。
現代社会の縮図を提起しているようで。
このシーンを見た方は、どうしようもない憤りを感じるでしょう。)

失明という病は更に蔓延し、
閉ざされた世界は無管理状態になり、
ついには崩壊し、
彼らは外界へ出る事が出来るようになったものの、
世界は一変していて、
生きることで精一杯の人達だらけになりはてていました。

この世界は、これから一体どうなるのか?

真の狙いは、
それを一緒に考えてみましょう、
というテーマだと思いました。

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カサキショー