劇場公開日 2008年6月7日

「生きる技術」ぐるりのこと。 クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生きる技術

2019年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

幸せ

そういや自分も結婚して10年以上経ってた。
結婚した頃に思い描いてたこと、大して何も出来てない。
何か具体的に思い描いていたのか、それすら定かでない。
冒頭、結婚する木村多江が、浮気性な夫(リリーフランキー)を思い、
「私がしっかりすれば、大丈夫」と自分に言い聞かせる。
自分ではしっかりしてると思ってるのに、
実際の自分はそうではなくなってきてる。
でもしっかりしてないと思ってた人(ここではリリー)は、
意外としっかりしていて、自分(木村)より強かった。
そして愛してくれていた。
しっかりしてなくても、理想を追いかけなくても、
何かを達成できなくても、
10年一緒にいたということが、結果的にそうであっても、
未来を生きていく糧になる。
生きる技術になる。
「生きることも技術なんです」という台詞が浸みた。
リリーの台詞も良かった。
「(死んだ人は)また思い出してあげればいいじゃん」

木村の身内(母、兄)も、根性悪い役で登場するが、
結局最後には、みんなお互いを好きだったんだと分かる。
それが分かるだけで、この一家は幸せなんだと気付かされる。

めんどうくさいけど、いとおしい。
いろいろあるけど、一緒にいたい。

クリストフ