劇場公開日 2008年7月19日

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「ラストシーンのすれちがい」百万円と苦虫女 れいすけさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ラストシーンのすれちがい

2021年2月14日
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泣ける

悲しい

幸せ

鈴子がものを捨てたくらいで、刑事告訴されてしまう。百万あったのが大きかったかもだけど。なんだよ。じゃあ人の猫は捨てても罪にはなんないのかよ。情状酌量の余地ないのかね。そして町で前科ものと噂がすぐ広がる。田舎町じゃあるまいし、そんなのわかるのかね。そこらへんはなんか理解できないが、ストーリーとしては、揺さぶられるものは、あった。

鈴子が傷を負いながら、旅にでる。海の家、桃農家、そして、ホームセンター。
海の家で出会う人も温かいし、桃農家のおばあちゃんも、ピエール瀧もあったかくて、たまらん。
少しずつ気持ちを開いていく鈴子。

ホームセンターで、きびきびと仕事ができ、優しい、森山未来に恋をする。
そして、はじめて、心開き、結ばれる。
そのあたりの純愛のくだりは、いいなあとおもってしまいました。

ラストシーン。

森山未来は二股をかけていた、
金が目当てだったと思い悲しみに暮れて
街を出る鈴子。失恋だ。
と思いきやの、森山未来の本当の気持ちは違った。100万貯めさせないために金を借りていただけ。鈴子も相当不器用だが、森山未来も不器用すぎだろ。なぜ正直に話さなかったんだろう。

自転車で駅まで追いかけるが、鈴子とはすれちがい、会えず映画は終わる。

森山未来のモテキとは真逆のラストシーンだった。

それもまたよしか。

弟もよくいじめに耐えた。
そして姉の背中を見て逃げずに戦う道を
選んだ。兄弟愛にも泣かされる。

なかなかよい映画でした。
鈴子には、まだまだいい恋愛があるだろうから悲観することなないと感じられた最後だった。
しかしアルバイトで百万って、そんな簡単にはたまらないような気がするけど。

れいすけ(休眠中)