劇場公開日 2008年6月7日

「「KY」なイメージ映像の挿入と言葉に力のない台詞から、三池+角川春樹の映画宇宙は作られている」神様のパズル ジョルジュ・トーニオさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5「KY」なイメージ映像の挿入と言葉に力のない台詞から、三池+角川春樹の映画宇宙は作られている

<ストーリー>
双子の弟で物理系の大学生、喜一が突然女の子を追って海外に行くと言い出して、ロック・ミュージシャンを目指すものの、才能もなく鮨屋でバイトしている兄の基一は、大学での代返を頼まれる。喜一の振りをして大学に行くと、ゼミの教授から、ゼミ生だが登校してこない、穂瑞沙羅華を連れ来るように頼まれる。天才少女ともてはやされている彼女は、その理論で国家プロジェクトが行われているほどだ。物理の知識などのない基一に次々と質問をぶつけてくる沙羅華。研究テーマを聞かれ、でたらめに「宇宙は作れるか?」と適当に答えると、彼女は興味を示し、何とゼミには出てきてくれるのだが、成り行きでその研究テーマに取りかからなくてはならなくなる。

<個人的戯言>
【♪レ~ジ~メ~♪】
最近の作品の中でも、最も「自爆」度の高い、「三池崇史」監督、「角川春樹」製作という、ある意味「役者」が揃った作品・・・

「スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」の悪夢再び!逆に関心します。これほどまでに人を苛立たせる作品を作れるのってある種の才能?

ストーリーに挿入されるおよそ意味を持たない、ただの思い付きにしか思えない無数のイメージ(「無数」というところは物理的?)。論理的知能指数を持つ少女の気持ちを動かすには、あまりに稚拙な上、ストレートに心に響く力も持たない、小細工だらけの主人公の「無数」の台詞。

壮大なる崩壊した悪ふざけに、またまた2時間強、付き合わされました・・・

【ぐだぐだ独り言詳細】
三池監督の作品はこれと「ジャンゴ」しか観ていませんが、ストーリーとしては原案なり、原作があるためか、そんなに悪くないことに今回気付きました。

しかしまず人の心を逆撫でするのが、

・見た目の「衝撃度」だけを狙った、
・それでいてストーリーの流れやリンクを切ってしまう、荒唐無稽なイメージの数々。

監督の中にある、思い付きのようなアイデアの具現化でしょうか?次々に見せられることによって、苛立ちも倍増します。

更にストーリーが完結するのに、完全な妨げになっているのが、主人公の、全く心のどこにも触れることのない台詞。
これは市原隼人の、相変わらずの空回りな演技のせいではなく、明らかにその内容の稚拙さから来るものだと思います。

天才少女の心を、

・研究的側面、
・パーソナルな苦悩的側面(これが突如現れる過程も丁寧に描かれていないのです)の両方で動かすのに、

主人公が感性だけで生きている人物として描かれていても、そういう人物だからこそ、論理的思考ゆえドツボにはまる人間に、ヒントを与えたり救ったりというのは、ありきたりながらわからないでもないです。

ただそれは難しい言葉でなくても、観ている方の心にも触れる、力を持った言葉でなくてはならず、
それをそういう方向で努力するのではなく、小手先の象徴やユーモアに逃げてしまっていて、
もしかすると、それがオリジナルなものと勘違いしているようにも思えます。

ここは例え聞いてる方が恥ずかしくなるようなものでも、ネタ振りをしっかり捉えた台詞なら、納得出来るものは作れると思いますし、もちろんそれは難しいことでしょうが、少なくとも最初からそういう考えで作られたものでは、この映画の中の台詞はないです。

「ジャンゴ」で懲りたはずなのに、「怖いもの観たさ」もあり、またやってしまいました・・・3度目はないようにしたいですが・・・ちなみにスコアは谷村美月の演技に1つ。

ジョルジュ・トーニオ