劇場公開日 2008年10月4日

「原作には勝てないかな」容疑者Xの献身 masakoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0原作には勝てないかな

2008年10月16日

うーん、まぁ普通に面白かったですよ。でも原作にはやっぱり勝てない。2時間で全部を埋め込むのは難しかったということかな。原作を読んでいない人の方が素直に楽しめると思います。

このお話はですね、最初から靖子が犯人だとわかっているわけですよ。だからそれを石神がどう隠蔽したのか。何故彼女に完璧なアリバイがあるのか。まずそのトリックと、そして石神vs湯川の頭脳戦、さらには石神の無償の愛が見所だったはずなんですが・・・。

正直原作で内容を知ってしまっているからか、まずトリック部分にたいした驚きがない。ほぉ、そうだったのか!と思わせる演出が足りなかったように思ったんですよね~。って私だけかな。

また湯川先生が唯一天才と認める石神のその頭脳のすごさ、そしてその石神の頭脳が考えだした隠蔽工作に挑んでいく湯川先生の姿がね、もっと盛り上がっていいはずだったんですけどね。謎解きに湯川先生はもっと苦労してほしかったなぁ。なんか簡単に答え見つけちゃって、あれ~という感じ。これは時間が足りないせい?それだったら雪山に登るシーンカットしてこっちをもっと描いて欲しかったです。

湯川先生のイメージが全く福山ではないように、石神は数学オタクで結構暗く地味~なイメージだったのですが、堤さんの配役は見事でしたね。かっこいいのにダサくて陰気な雰囲気を出せる俳優さんですから。普通に福山さんと堤さんだったら絵になりますしね~。

背中を丸めて発する言葉も少なく、人生に何の楽しみもないような男・石神。堤さんの演技、さすがですね。どっしりと重くて暗い雰囲気が全体から漂ってます。それに比べて湯川先生の爽やかなこと。お前はいつまでも若々しくていいな~、と石神でなくても言いたくなってしまいますよ。

そして原作同様、事件の真相に気づいてしまった湯川先生は苦悩します。相手が石神であるが故に。その苦悩をね、全く必要ない存在の柴崎コウ演じる内海に”友人”として聞いてくれって話してしまったところが私は納得いかず。だいたい連ドラですら内海の存在価値を全く感じられなかったのですが、映画となればなおさら。本当柴崎コウ、超いらない。というか邪魔。ギャーギャーうるさいだけだし。連ドラは仕方ないにしても、この映画容疑者Xの献身では彼女は登場しないでくれた方がよかったように思いますよ。湯川先生、石神、花岡靖子、この3人がメインで十分じゃんって。そして友人として話をするなら内海じゃなくて草薙なんですよ。

福山さんの格好良さと、堤さんの演技の上手さはすばらしかったし、まぁそれなりに楽しめましたけど、重要な台詞がカットされてたりして、はっきり言って原作ほどの良さは映画からは伝わってきませんでした。原作支持者はあまり納得できないのではないかと。。。

この映画楽しんだ方、辛口レビューで本当すみません。

masako