劇場公開日 2008年10月4日

「あんなにカッコいい物理学者なんて、居ないって。」容疑者Xの献身 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5あんなにカッコいい物理学者なんて、居ないって。

2008年10月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

フジテレビで放映され、大ヒットした『ガリレオ』の映画化。って言うより、東野圭吾の探偵ガリレオシリーズの中の長編『容疑者Xの献身』の映画化と言った方が正しいんでしょうかね?

テレビの際も(元々原作には居なかった”内海薫”とか、”城ノ内桜子”とかの女性登場人物を除いては)、基本的に大体原作に沿った形での映像化でしたが、映画の場合にも、その方針は踏襲されています。まぁ、本であったなら、湯川・草薙の男と男のコンビでも良いかもしれませんが、映像になるとしたら、やっぱり花があったほうが見栄えはするわけで、その意味では、湯川・内海と言う組合せになったのは、間違いでは無かったと思います。(同じような手法は、『チーム・バチスタの栄光』でも取られています。)最終的に内海は、原作にも登場してきていますしね。

原作者の東野圭吾によれば、湯川学は佐野史郎をイメージして書かれていたわけですが、テレビそしてこの映画の影響で、圧倒的に福山雅治と言う印象が、一般には刷り込まれてしまったのでは無いでしょうか? テレビ化する際に湯川役を佐野史郎にしなかった理由は不明ですが、一部の人間には、彼には1992年 TBSドラマ『ずっとあなたが好きだった』の桂田冬彦のイメージも無い訳ではないので、良かったのかもしれませんが。

映画の中では、あまり出演シーンは多くなかったですが、私に演技力を感じさせたのは、意外にもダンカンです。非常に少ない出演シーンにも係らず、芸達者だなぁと感心してしまいました。

あとは、言うに及ばず、松雪泰子ですかね。やっぱり彼女の演技は、一流だと思います。陰のある雰囲気とか、表情は見せますね。

柴咲コウは、テレビドラマ等多数出演していますが、微妙な感情表現を伴う演技は苦手と見ました。これまでの出演作品でも、微妙な感情表現を必要とする役柄が少ないのも、その傍証かと思います。

時間的制約や、物語の盛り上げ方などにより、完全に原作に忠実と言うわけでは有りませんが、それなりに原作にそっているので、原作を読んでいる人も、そうでない人も、楽しめると思います。

勝手な評論家