劇場公開日 2009年4月18日

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「ドキュメンタリーを観ているよう・・・」ミルク キキョウさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ドキュメンタリーを観ているよう・・・

2009年4月9日
鑑賞方法:試写会

泣ける

知的

1970年代のサンフランシスコで、ゲイである事を公表し、その代表者として
公職に着いた市民運動家の、非業の死に至る8年間の軌跡を描いた作品。
随所に挿入された当時の映像と、ショーン・ペンをはじめとする出演者達の
渾身の演技によって、あたかもドキュメンタリーを観ているかのような感覚に
引き込まれました。

ショーン・ペンというと、『アイ・アム・サム』以外では、「街の顔役」のような
骨太の役柄の多い俳優さんのイメージが強かったので、当初、この作品の
情報を聞いた時には、ミルク役よりもダン・ホワイト役では?と訝ったもの
でしたが、物腰や仕草、オネエ言葉から髪の毛の先まで、まるでミルク氏が
乗り移ったかのようで、オスカー獲得は大々納得ものでした。

『ミルク』よりも3ヵ月前にアメリカで封切られた『トロピック・サンダー』の
ロバート・ダウニーJr.の台詞に「ショーン・ペンは『アイ・アム・サム』で
あまりにもマジに演じ過ぎたからオスカーを逃した」というのがありましたが、
『ミルク』で「マジに演じた」ショーン・ペンは主演男優賞に輝いたのに対し、
『トロピック・サンダー』で助演男優賞にノミネートされていたロバートの方は、
皮肉にもオスカーを逃しましたね~。。。

キキョウ