劇場公開日 2011年8月12日

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「意味が有ろうとなかろうと、続いていくもの。」ツリー・オブ・ライフ rietabiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0意味が有ろうとなかろうと、続いていくもの。

2011年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

良かった! とか 最悪! とか。ベスト何位! とかじゃ語れない。
特別賞で殿堂入り!

ある家族の話と観念世界の映像が交互にグワーと来て、意味は分かんない。
説明もできない。
いや、そもそも意味なんて要るのか?
説明できる事が大切なことなのか?

母親がキリスト教徒ということになってるけど、神との対話がベース。
キリスト教徒じゃないから分からない! なんてナンセンスだと思う。
根本にあるのは、生命への疑問や意味。命って?生きるって?って事。

ある一家がクローズアップされ、たくさんの出来事が起こる。
良い事も悪い事も。
それに意味があるのか?どうしてなのか?最後まで分からない。
でも生きるってそうじゃない。
皆、意味もなく生き死ぬやんか。
彼らは映画では、主人公だけれども、ただの命の繫がりの一部分を切り取っただけ。

あらゆるものは繫がり、繋がってるがゆえに縛られ、永続的に巡り巡る。
あらゆるものが親に影響され縛られる。ネコからイヌは生まれないし、猿から一気に人間になったりしない。DNAは繫がりを証明し続ける。
ただ、人間は感情を持ち考えるから、厄介なん。
感情も思考も生き方さえも影響され縛られる。
どう生きたいのか迷い、自分らしい生き方を模索する。親に影響されてることにさえ気付き苦しむ。

全ては永続的に繰り返されてきたこと。命は意味もなく生きては死ぬ。
だいたい意味なんて要るのだろうか。
わたしだけの命に永遠はないけれど、命を巡る繫がりは永遠に続いていく。

私たちが生きてるのは永遠の中の一瞬で、一瞬の中の永遠なんだろう。
じゃあ、その儚い一瞬を精一杯生きたいと思う。

rietabi