「シアーシャ・ローナンの将来に期待」ラブリーボーン　αさんの映画レビュー（感想・評価）

ピーター・ジャクソン最新作で、豪華キャストがそろい踏みで、オスカー路線…と思いきやフタをあけてみると評判がよくなった本作。

どうして？と思ってみてみたが、なるほどドラマにサスペンスにファンタジーにいろいろ要素がありすぎて、逆に印象が散漫になってしまった気がする。スージーの思いが中心ではあるけど、スタンリー・トゥッチ演じる犯人の犯行シークエンスはどうしても不気味なサスペンスになってしまうのは、さすがのPJと言ったところなのだけど……。スタンリー・トゥッチの怪演もオスカー候補は納得だけど、作品を食ってしまった感あり。加えて家を出て行ったり戻ったりのレイチェル・ワイズお母さんの行動もいまいち意味不明……。

とはいえ、このよく分かりにくい作品を支えたシアーシャ・ローナンの演技は素晴らしい。ほとんどが回りになにもないグリーンバックでの1人芝居だったと思うけど、よくぞ頑張りましたと。『つぐない』のときから成長してずいぶん印象も変わったけれど、彼女の将来が楽しみ。