劇場公開日 2008年4月26日

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「薄味派にはくどすぎる」ゼア・ウィル・ビー・ブラッド あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0薄味派にはくどすぎる

2008年9月29日

笑える

怖い

個人的にあまり好きじゃないPTA監督の最新作でございます。
主演のダニエル・ディ・ルイスは好きですから観ました。

石油を題材にしたのは、やはり今が旬だからか。まだ未曾有の地だったアメリカで、一人の野心深き男が石油採掘に情熱を燃やすという様に、ダニエル殿ははまっています。しかし途中からは、あきらかに演出も演技もやりすぎです。

PTA監督は、今の時代の監督としてはなかなか古典的な感性の持ち主ですね。題名と展開のかけかたもうまいし、エンディングロールに切り替わった瞬間はしてやられた気分。とても才能おありです。

ですが、人によっては「だから、どうした?」と言われても仕方ない作品でもあります。娯楽性乏しく、しかもながながと奇人が変人に変貌していく様を見させられるのですから。監督の独善性が完全に暴走しています。これに耐えるには、高尚な映画を観ているんだという見栄と、自分は分かっているんだという虚勢、もしくはそれなりの文学的修練を積んでいる事が必要です。

あんゆ~る