劇場公開日 2008年4月12日

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「俺の背後に立ってバーコードを読むな!」ヒットマン kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0俺の背後に立ってバーコードを読むな!

2018年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 孤児を集めて殺し屋に育て上げるという秘密組織があり、子供たちは全員スキンヘッドにされ、後頭部にバーコードの刺青を入れられている・・・しかもBGMが「アヴェマリア」だ。主人公の殺し屋ティモシー・オリファンでさえ名前が“47”というコードネームしか持たないんだし、他の子もみな名前を付けられていないのだろう・・・悲しい。

 後頭部の刺青というと、XXXの刺青をした『トリプルX』のヴィン・ディーゼルをすぐに思い出すのですが、エンドクレジットにExecutiveProducerとして彼の名前を発見したときには正直驚かされました。XXXがあるために自ら出演することを諦めたのか、主役といっても悪の組織の一員だから辞めたのかはわかりませんが、これからのアクション映画にはスキンヘッドが一番だと強調しているかのような作品でした。ヒロインであるオルガ・キュリレンコの後頭部にもバーコードが隠されているとこっそり期待していたのに・・・

 ストーリーは単純そうありながら、実はよく理解できませんでした。ロシアの政治家を暗殺することが主軸となって、その命令そのものが罠であったので陰謀を企てた黒幕を探すといったストーリー。だけど、それが自分を育てた組織が関わっていて、仲間であるはずのエージェントと戦うことになる・・・それでも執拗に政治家暗殺を遂行しようとするのはヒロインのためなのか、自分のためなのか・・・ううむ。

 結局、目的がわからぬままルパン三世と銭形警部の敵対関係の奇妙な信頼関係を楽しむ映画だったでしょうか。銃アクションや剣アクション、それに47がロシア警察から逃れる際の華麗な逃亡アクションに見惚れてしまい、ストーリーはどうでもよくなってくる。インターポールと警察の関係や、背後に潜むCIAの影など、面白くなりそうな展開ではあったのに・・・元はゲームソフトだということもあって、掘り下げることも無意味だったのかもしれませんが・・・

 47のティモシー・オリファントは『ダイ・ハード4,0』では弱い悪役だったのに、さすがに主役の今回は強い強い。ヴィン・ディーゼルほど筋肉もりもりではないけど、かなり俊敏な動きが似合います。「俺の名は・・・47」という台詞も心に響くのですが、それに呼応するかのような「私はCIAのエージェント・スミスだ!」という台詞は笑いどころだったハズ!そういやマトリックスシリーズも後頭部に秘密があったっけ・・・

kossy