劇場公開日 2007年12月22日

「ジ~ンときた…。」再会の街で mori2さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ジ~ンときた…。

2008年1月3日

泣ける

悲しい

 全米で大人気のコメディ俳優アダム・サンドラー渾身のシリアス演技。うん、ジ~ンときましたよ、いいですね!いつものおバカ演技は封印して、非常にシリアスな演技で我々を魅了してくれます。周りの人間が如何に心配(同情)しても、当事者にしかわからない悲しみ、怒り、といった物を、とてもストレートにスクリーンで見せてくれます。吾輩個人的に、彼のこの演技に次回のアカデミー最優秀主演男優賞をあげたいな~と思っております。ノミネート発表はもうすぐですが、入ってないかな~?

 この映画は“喪失と友情の物語”です。クサい言い方ですが、他に言い表わしようがないほど、ピッタリな言葉です。何の罪も無いのに、或る日突然愛する全てのモノを一瞬にして失ってしまったら、人はその事実をどのようにして受け入れていくのか?いや、実際のところ受け入れらない人の方が多いのだと思う(この映画もそんな人間を描いています)し、その人達に周りの人間がどのような形で接していき、その傷を癒していくことが出来るのか…。究極のところ、いくら親身になって心配しても、当事者にしか痛みはわからないものだけど、それでも何か話すことによって、人は癒されるんだと、この映画は静かに、しかし力強く観ている者に語り掛けてくれます。

 ストーリーも秀逸ですが、随所に出てくるNYのロケーションと、バックに流れる70年代、80年代の音楽も、この映画をとても温かい“ヒューマンドラマ”に仕上げている重要なエッセンスです。洋楽ファンの皆様は、必見ですよ。

mori2