散歩する惑星のレビュー・感想・評価
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【ロイ・アンダーソン監督のブラックでシュールな初期作品。その後の作品への萌芽は感じられるが、笑いの要素が少ないだけ、難解さが残る作品。】
- 家具屋を経営するカールは、保険金欲しさに自分の会社に火をつけてしまう。タクシー運転手の長男は心を病み、代わって次男がタクシーを運転することに。カールは救いを求めて教会へやってくるが、神父も悩みを抱えていた。ー
◆感想
・私が面白いと思った「ホモ・サピエンスの涙」や、「さよなら、人類」の萌芽を感じさせる作品。
・メインキャストは、借金に苦しむカールだが、主たるキャストにはなっていない。
・クスクス笑ったのは、マジックの箱切断で、本当に腹を切られてしまった男のシーンかな。
<今作を発祥として、「ホモ・サピエンスの涙」や、「さよなら、人類」が製作された事を思うと、意義ある作品である。>
4.4
本筋はほとんどなくて、はっきり言って意味不明。
だけど、ぼくはかなり好き。
邦題は「散歩する惑星」だが原題の直訳は「2階からの曲」らしい。この意味は未だによくわからないけど、映画を観終わったあと、ぼんやりと考えるのがいいと思う。
どこかの惑星で絶望に直面した人たちはどういう行動をするのか?
逃げたり、解決しようとしたり、うまくやり過ごしたり、落ち込んでドツボにはまったり、それは様々であるが、普遍しているところもあるようにおもう。
白塗りの顔や人々の活力の無さなどが人間の心理の深層をうまく描いていると思う。
この映画はロイ・アンダーソン監督のリビング・トリロジー(人間についての3分作)の第1作目で、先日観た『さよなら、人類』は第3作目だったらしい。
『さよなら、人類』を観たときはそんなことは知らなかったけど、ドハマりしちゃって、何週間経っても忘れられないでいた。
こういう訳わからない系の映画はすごく好き。ブラックユーモアやシュールと言った言葉だけでは言い切れない深さがあったりするので、観たあとジワジワと何週間も余韻が残る。
絵画ではダリの記憶の固執なんかは、まさにそう。
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