劇場公開日 2002年4月27日

「狂気の密室劇とその顛末」鬼が来た! h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5狂気の密室劇とその顛末

2020年8月20日
iPhoneアプリから投稿

日本軍占領下の中国の村での出来事とその後の顛末を描いている。冒頭の日本軍人「捕虜(香川照之!)」を「悪魔」としてではなく、滑稽な「道化師」として描いている。

突然押し付けられた日本兵の処遇をめぐって、村人はパニックに陥り、それぞれの人間の本性があらわになる。また監視し殺害を試みようとする村人たちは「リマ症候群」に陥り「捕虜」と奇妙な関係が芽生えていく。

深刻な悲劇なのに、なぜか彼らの行動はコメディそのもの。悲劇と喜劇はまさに紙一重だ。

しかし、村での宴のシーンから映画の雰囲気は一変する。そこからは暗黒の世界へまっしぐら。

全体的に反日的、嫌日的な作品としてつくられてはなく、かなり冷静かつ公平なかたちで反戦作品を作っていると思う。デフォルメされた日本軍人像ではなく、ちゃんと日本人の俳優が演じているところも自然。

逆に中国の反日強硬派からしたら、日本に迎合的にデフォルメされていると思うかもしれない。

鬼ごっこは、捕まえられたものが次の鬼になる。その繰り返し。憎しみも替わったものが引き継いで、倍加する。憎しみと哀しみの永遠の連鎖。

atsushi